「帰りたくないんだろ」~好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!~
彼女は右側に立つ蒔田を見た。ディスプレイには、バージョンアップの進行速度がインジゲータとなって表示されている。あまりの遅さを、睨みつけているようにも思える。
彼女は、蒔田の唇が動くのを待った。
「おっせえなあ」
やっぱり、言った。
言う言うと思った。彼女は俯いて笑いを噛み殺す。
「スペックがあんまり良かねえPCだからな。榎原くん。時間をかけさせてすまないな」
「いいえ。……どうせ、家に帰ってもすることないですから、いいんです」
「どうせなんて言うな自分のことを」
軽い口調。
だがすこし怒っているようにも聞こえた。蒔田の表情はいつもと変わらずポーカーフェイスだが。
蒔田は彼女の後ろを回って、椅子を引き、左側の自席に座る。
「帰って、飯作って食って風呂入って寝る人間は、誰だって、忙しい。おれなんかこの一ヶ月自炊してない」
その言葉にかえって彼女は驚いた。「いつも、してるんですか? 自炊」
「簡単なものだがな。チャーハンとか牛丼とか三十分もかからず出来上がる程度のもんだ」
彼女は、蒔田の唇が動くのを待った。
「おっせえなあ」
やっぱり、言った。
言う言うと思った。彼女は俯いて笑いを噛み殺す。
「スペックがあんまり良かねえPCだからな。榎原くん。時間をかけさせてすまないな」
「いいえ。……どうせ、家に帰ってもすることないですから、いいんです」
「どうせなんて言うな自分のことを」
軽い口調。
だがすこし怒っているようにも聞こえた。蒔田の表情はいつもと変わらずポーカーフェイスだが。
蒔田は彼女の後ろを回って、椅子を引き、左側の自席に座る。
「帰って、飯作って食って風呂入って寝る人間は、誰だって、忙しい。おれなんかこの一ヶ月自炊してない」
その言葉にかえって彼女は驚いた。「いつも、してるんですか? 自炊」
「簡単なものだがな。チャーハンとか牛丼とか三十分もかからず出来上がる程度のもんだ」