「帰りたくないんだろ」~好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!~
寺西からの引き継ぎは一ヶ月ほどで終了しており、榎原が『事務』を開始して三ヶ月余が経つ。
道林からは、どうなのと言われたものの、事務の仕事はやってみると面白い。概ね定時に帰れ、アフターファイブの予定(定時は十七時四十五分だが)も組み易い。単発の案件を担当していた頃は、予定がなかなか組めず、組んでも彼氏を待たせてしまうやドタキャンの連続で、土日に仕事が入る彼と合いづらくなり、
だから、浮気されたとは言わないが。
本人同士の、気持ちの問題だ。
就職前からつき合う男女は『続かない』と言われる、でもその一大分岐点を乗り切ったはずだが。
乗り切ったと思ったのは自分だけだったかもしれない……思えば。
彼の仕事のなにも知らない。詳しいことは、聞いていない。そうだ。新人の頃に、愚痴を聞いてもらうつもりで愚痴ったつもりが逆に『そのひとの言うとおりだよ』と諭されたことがあった。
あれは、蒔田が――
「でね。……榎原さん?」
「あ、ああ、……はい」寺西に振られるも、榎原は、すっかり、上の空だった。「すいません、なんの話でしたっけ」
「順調? サポートのほう……」
道林からは、どうなのと言われたものの、事務の仕事はやってみると面白い。概ね定時に帰れ、アフターファイブの予定(定時は十七時四十五分だが)も組み易い。単発の案件を担当していた頃は、予定がなかなか組めず、組んでも彼氏を待たせてしまうやドタキャンの連続で、土日に仕事が入る彼と合いづらくなり、
だから、浮気されたとは言わないが。
本人同士の、気持ちの問題だ。
就職前からつき合う男女は『続かない』と言われる、でもその一大分岐点を乗り切ったはずだが。
乗り切ったと思ったのは自分だけだったかもしれない……思えば。
彼の仕事のなにも知らない。詳しいことは、聞いていない。そうだ。新人の頃に、愚痴を聞いてもらうつもりで愚痴ったつもりが逆に『そのひとの言うとおりだよ』と諭されたことがあった。
あれは、蒔田が――
「でね。……榎原さん?」
「あ、ああ、……はい」寺西に振られるも、榎原は、すっかり、上の空だった。「すいません、なんの話でしたっけ」
「順調? サポートのほう……」