「帰りたくないんだろ」~好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!~
act4. 告白
「すいません、ちょっと席外します」
と、断りを入れて席を立つ。
周囲の面々は飲酒と会話に夢中になっていて、彼の言葉なんか聞いちゃいない。
彼女を除けば。
「あたし、お手洗いに行ってきます」
「榎原さんてば、どうせタバコっしょ?」
後輩の道林は、榎原が喫煙者であることを知っている。
かっこいいと思ったから。
煙草を吸おうと思ったきっかけはそんなだ。
この業界は男女問わず喫煙者が多い。ストレスが溜まるからだ、と彼女は思っている。
抜け目なく突っ込んだ道林には、しぃっと人差し指を立てて微笑みかけてから、席を離れる。
追いかけてしまうのだ。
彼の背中には、それだけの吸引力がある。
「もしもし。ああ。会社の飲み会だ。あ? 平気だ、すこし席を外すくらい問題ない。みな酔っているからな。ちょっと待て、ここはすこしうるさい」
彼女は足元を見た。一昨日買ったばかりのハイヒールが誰かに蹴っ飛ばされた様子。酔っぱらいの愚行に軽く眉を潜め、聴覚を彼の会話に集中させる。
狭い廊下を颯爽と歩く彼の背中が小さくなる前に、彼女は、ハイヒールを履く。
と、断りを入れて席を立つ。
周囲の面々は飲酒と会話に夢中になっていて、彼の言葉なんか聞いちゃいない。
彼女を除けば。
「あたし、お手洗いに行ってきます」
「榎原さんてば、どうせタバコっしょ?」
後輩の道林は、榎原が喫煙者であることを知っている。
かっこいいと思ったから。
煙草を吸おうと思ったきっかけはそんなだ。
この業界は男女問わず喫煙者が多い。ストレスが溜まるからだ、と彼女は思っている。
抜け目なく突っ込んだ道林には、しぃっと人差し指を立てて微笑みかけてから、席を離れる。
追いかけてしまうのだ。
彼の背中には、それだけの吸引力がある。
「もしもし。ああ。会社の飲み会だ。あ? 平気だ、すこし席を外すくらい問題ない。みな酔っているからな。ちょっと待て、ここはすこしうるさい」
彼女は足元を見た。一昨日買ったばかりのハイヒールが誰かに蹴っ飛ばされた様子。酔っぱらいの愚行に軽く眉を潜め、聴覚を彼の会話に集中させる。
狭い廊下を颯爽と歩く彼の背中が小さくなる前に、彼女は、ハイヒールを履く。