「帰りたくないんだろ」~好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!~
 明るい声。愛くるしい黒い瞳が印象的で、同性の目から見ても、知奈は、可愛かった。

 以来。大学の授業を一緒に取るようになり、他の誰よりも、南雲知奈は彼女にとって親しい友人となった。

 ランチタイム。ゼミ。初めての就活。ささやかな失恋。合コン。いろんな場面で彼女は親友に相談ごとをした。

 そのたび、知奈は、「だいじょーぶ、なんとかなるよぉ」と言って紘花を励ますのだ。

 もちろん、悲しいときは一緒に泣くし、彼女にとっての、父親を除けば最大の理解者であったのだ。

 だからこそ、痛手だった。

 もっとも、最近は、彼女は誰にも相談をせず、ひとりで決断する場面が多かった。

『彼』とうまく行っていなかったことも、相談しなかったくらいだ。そう考えると。

 どんなことだってひとりで乗り越えられる。

 ひとしきり泣いたあと、彼女は決断を下した。


 一人きりで生きていこう、と。


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