嗚呼、愛しの婚約者様
早口で熱弁されて一瞬戸惑ったけれど、最後の言葉が気になった。〝王妃になれば〟だなんて、私は第三王子の婚約者なのだから、なれるはずがないというのに。
……あぁ、そういうことね。
『私を愛する第三王子の婚約者なんて辞めて、王太子である第一王子と結婚したらどうですか?』という意味なのだとしたら、この女は本当にどれだけ私を馬鹿にすれば気が済むのかしら。
確かに王太子殿下は未だ婚約者がいないと噂されているけれど、昔から私が愛するのはたった一人、マティアス様だけだというのに。
そんなことを言っておきながら、相変わらず無垢を偽った瞳で見つめてくる彼女に苛立ちが募った。
「確かに、王妃になるのも悪くないわね」
黒い心で言ってみれば、この女は心底嬉しそうに笑った。
そんなに楽しい? 私の婚約者を奪うことが。
そう頭の中で問い掛けると、何処からかこちらへ向かう生徒達の声が聞こえてきた。
その声に耳をすませながら「けれど私、マティアス様を愛しているの」とはっきり口に出せば、先ほどまで楽しそうだったユリアナは傷付いたような顔をした。
……あぁ、そういうことね。
『私を愛する第三王子の婚約者なんて辞めて、王太子である第一王子と結婚したらどうですか?』という意味なのだとしたら、この女は本当にどれだけ私を馬鹿にすれば気が済むのかしら。
確かに王太子殿下は未だ婚約者がいないと噂されているけれど、昔から私が愛するのはたった一人、マティアス様だけだというのに。
そんなことを言っておきながら、相変わらず無垢を偽った瞳で見つめてくる彼女に苛立ちが募った。
「確かに、王妃になるのも悪くないわね」
黒い心で言ってみれば、この女は心底嬉しそうに笑った。
そんなに楽しい? 私の婚約者を奪うことが。
そう頭の中で問い掛けると、何処からかこちらへ向かう生徒達の声が聞こえてきた。
その声に耳をすませながら「けれど私、マティアス様を愛しているの」とはっきり口に出せば、先ほどまで楽しそうだったユリアナは傷付いたような顔をした。