治療不可能な恋をした
そのまま話はとんとん拍子に進み、翌月の休日の重なる週末に一泊二日の旅行へ行くことが自然に決まった。
「ホテルの予約なんかは俺がやっておくから、梨乃はいきたいところだけ考えてくれたらいいよ」
「ほんと?ありがとう」
「決まったら教えて。一緒に計画決めよう」
「うん」
梨乃は自然と笑みを浮かべながら、行きたい観光地や食事プラン、ちょっとした寄り道のことまで想像していた。画面に映る鮮やかな景色や名物料理を思い浮かべ、二人で過ごす時間をあれこれ考えるだけで、心が弾む。
「じゃああとは、当日までに必要なものを揃えればいいな」
理人がパソコンを閉じ、テーブルに置くと、すっと体を滑らせて梨乃を膝の間に抱き込んだ。柔らかな重みと温かさに、思わず梨乃の頬が赤くなる。
「……ちょ、なにするの……?」
「何って、梨乃を抱きしめてるんだけど」
理人は微笑みながら、頭をそっと梨乃の肩に寄せ、唇を軽く触れさせる。甘えるような仕草に、胸の奥がきゅんと鳴った。
「こうして同じ家で過ごせるようになっただけでも嬉しいのに、梨乃と“出かける時間”まで一緒に持てるんだ。……どう考えても最高だろ」
そのまま軽くキスを重ね、腕でしっかりと抱きしめられる。
「冗談抜きで、今から待ちきれねえよ」
甘い熱に包まれ、膝に抱き込まれた心地よさに、梨乃は両手で顔を覆いながらも笑いをこぼす。
再び唇を重ね、頬を寄せ合うたび、二人の距離も時間も甘いものに溶けていく。
安心とときめきが入り混じった幸福感が、ゆっくりと二人の間を満たしていった。