治療不可能な恋をした
そこには、カフェで撮られた写真が載ったSNSの投稿があった。写っているのは黒髪の男性と、見覚えのある若手看護師。笑顔で並んで座っており、ラテアートのカップがふたつ、テーブルの上に並んでいる。
アカウントは鍵のかかっていない公開設定。名前こそ伏せてあるが、知っている人が見ればすぐに分かる構図だった。
「“午後のごほうび♡”って。……がっつり匂わせてきてますね。寧ろ自ら嗅がせにいってるレベル」
「男性の方、顔ははっきり映ってないけど逢坂先生ですよね?」
「ですよね!まだ異動してきて間もないのに、もうちゃっかりデートしてるんだな〜って笑っちゃいました」
「ていうか、この子すごいよね。同じ科なのをいいことに事あるごとに声かけて。既成事実作るのに必死な感じ?」
「たしかに。けどまあ、逢坂先生も手が早いというかなんというか……」
軽口が飛び交い、周囲に笑いが広がる。
梨乃もそれに合わせて曖昧に笑顔を作ったまま、スプーンをゆっくりと置いた。
胸の奥が、じん、と痛む。