治療不可能な恋をした
「ほんと久しぶり〜!去年の同窓会以来? 理人さあ、もっと飲み会参加しなよ〜」
案の定、一団の輪の中にいたのは理人だった。
「無茶言うな。こっちは異動したばっかで毎日忙しいんだよ」
そう言いつつ、理人はどこか居心地よさそうに笑みを浮かべている。学生時代と変わらない軽やかなやりとりに、周囲の空気も自然と和んでいた。
「そういえばそうだったな。つかこっちにも噂聞こえてくるぞ、新しいとこでも相変わらず人気者らしいじゃん」
「やっぱり? 理人ってほんと昔から変わんないよね〜。いっつも誰かに囲まれてたもん」
「ていうか、覚えてる? M大との飲み会で、あっちの女子達がずっと理人の隣取り合ってたやつ!」
「あったあった。分かりやすいくらい酔ったフリしてめっちゃベタベタしてたよね〜。写真残ってるよ! 見る?」
「はあ? んなもんさっさと消せよ。つかなんでまだ持ってんだよ」
「だってその後お持ち帰り狙ってすり寄って、理人に見事にスルーされてた時の顔が超ウケたんだもん!」
その言葉に、どっと笑いが起きた。理人は少しだけ眉をひそめながらも完全には否定せず、肩をすくめてグラスを傾ける。
その姿が、ごく自然にその場の中心にいるように見えた。懐かしさと気の置けない空気が、その輪の中にはあった。