旧校舎のあの子
おばさんはしきりに私の頭を撫でて「そんなことないよ」と言ってくれていました。
そうやってひとしきり泣いた後、ようやく涙が引っ込んだときおばさんが「よかったらあの子の持ち物をひとつ持って帰る?」と、言ってくれました。

形見分けというやつです。
この年齢で形見分けなんて経験するとは思っていなったけれど、イトコを感じられるものを持ち帰りたいという気持ちになったので、素直に頷きました。

おばさんはイトコの部屋に案内してくれて、「なんでも好きなものを一つ選んでいいからね」と言い残してリビングへ戻って行きました。
イトコの部屋は綺麗に整っていて、生前の性格がそのまま現れているようでした。
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