お淑やかでか弱いお姫様をお望みでしたら他をあたってください ~正体不明の元メイドは魔王様に自分を攫わせます~
「ルーカス様。エミリー様にティアラを」
長々とした誓いの言葉を終えた次は、この式の目玉。神父が差し出した真っ赤なクッションの上には、紫色に光る大きな宝石が点けられたティアラが乗っていた。
「こちらは王妃様にのみ身に付けることを許された魔法石のティアラとなっております。魔王と世界を共にしている現代において、平和への祈りは欠かせません。だからこそ、__」
神父の仰々しい説明は長い。しかし遮ることもできないため、うんざりしながらも適当に頷く。そんな重そうで面倒なもの、正直なところ身につけたくない。
神父の説明が終わると同時に、ルーカス様がティアラ持ち上げる。それを見て、そっと頭を下げた。
(これは、ただの首輪ね)
目を閉じると共に、頭にずしりと重みが加わった。
その瞬間、
ガシャーンッ!
会場の全ての窓ガラスが、けたたましい音を立てて砕け散った。
長々とした誓いの言葉を終えた次は、この式の目玉。神父が差し出した真っ赤なクッションの上には、紫色に光る大きな宝石が点けられたティアラが乗っていた。
「こちらは王妃様にのみ身に付けることを許された魔法石のティアラとなっております。魔王と世界を共にしている現代において、平和への祈りは欠かせません。だからこそ、__」
神父の仰々しい説明は長い。しかし遮ることもできないため、うんざりしながらも適当に頷く。そんな重そうで面倒なもの、正直なところ身につけたくない。
神父の説明が終わると同時に、ルーカス様がティアラ持ち上げる。それを見て、そっと頭を下げた。
(これは、ただの首輪ね)
目を閉じると共に、頭にずしりと重みが加わった。
その瞬間、
ガシャーンッ!
会場の全ての窓ガラスが、けたたましい音を立てて砕け散った。