お淑やかでか弱いお姫様をお望みでしたら他をあたってください ~正体不明の元メイドは魔王様に自分を攫わせます~
「…本気か?」
「私はこの結婚式から、この国から、そしてこのクソほどつまらなくなりそうな人生から解放されたいんです」
私は今度こそ、魔王に差し出した。
「このティアラと共に、私をあなたの城へと攫っていただけませんか?」
私の言葉に、魔王は無言のまま、ただただ私を見つめていた。その瞳には、困惑とほんの少しの興味が浮かんでいるようだった。
「おい、ティアラを守れ!!」
「早く!魔王の手に渡らせるな!!!」
そんなやり取りの中聞こえたのは、国王陛下と大臣たちの声。どれだけ耳を澄ませても、私の安否を心配する言葉は1つもない。
(結局、そんなものよね)
第1王子が惚れ込まれただけのただのメイド。平民の中でも下層の出身だし、城のメイドになれただけでも奇跡だと言われる身分。こんな命、吹かずとも飛んでしまう程度にすぎない。
だからこそ、
「今、大事な話をしているんです。ちょっと静かにしてください」
ティアラを持っていない方の手を、まっすぐ伸ばす。昔、使ってはいけないと言われたきり、封印していた力。
手の平が熱くなるのを感じると同時に、迫ってきていた護衛が豪快に吹っ飛んだ。見えない何かに吹き飛ばされ、その証拠に床には衝撃波の痕が付いていた。
悲鳴を上げる間もなく昏倒した護衛を見て、ようやく実感が湧いてくる。ああ、本当にやってしまったのだと。何年も前に使うことを禁じられた、奇跡の力。
「…ほう」
低い声が降ってきた。
「私はこの結婚式から、この国から、そしてこのクソほどつまらなくなりそうな人生から解放されたいんです」
私は今度こそ、魔王に差し出した。
「このティアラと共に、私をあなたの城へと攫っていただけませんか?」
私の言葉に、魔王は無言のまま、ただただ私を見つめていた。その瞳には、困惑とほんの少しの興味が浮かんでいるようだった。
「おい、ティアラを守れ!!」
「早く!魔王の手に渡らせるな!!!」
そんなやり取りの中聞こえたのは、国王陛下と大臣たちの声。どれだけ耳を澄ませても、私の安否を心配する言葉は1つもない。
(結局、そんなものよね)
第1王子が惚れ込まれただけのただのメイド。平民の中でも下層の出身だし、城のメイドになれただけでも奇跡だと言われる身分。こんな命、吹かずとも飛んでしまう程度にすぎない。
だからこそ、
「今、大事な話をしているんです。ちょっと静かにしてください」
ティアラを持っていない方の手を、まっすぐ伸ばす。昔、使ってはいけないと言われたきり、封印していた力。
手の平が熱くなるのを感じると同時に、迫ってきていた護衛が豪快に吹っ飛んだ。見えない何かに吹き飛ばされ、その証拠に床には衝撃波の痕が付いていた。
悲鳴を上げる間もなく昏倒した護衛を見て、ようやく実感が湧いてくる。ああ、本当にやってしまったのだと。何年も前に使うことを禁じられた、奇跡の力。
「…ほう」
低い声が降ってきた。