完璧すぎる淑女は「可愛げがない」という理由で婚約破棄されました。 ~元聖女ですが、古代魔術まで極めてみました~
そんなある夜、彼女は散歩の一環で森へと足を運んでいた。
屋敷を抜け出しての散歩のため、護衛はいない。エメラルダは1人、森の中を迷いなく進み、ある地点で足を止めた。
「うーん。やっぱり、張られている結界が弱まっているわね」
見上げた先には、薄い壁が張られていた。しかし、その壁には、時折桃色の稲妻が走っている。それを見て、エメラルダは呆れたようにため息を吐いた。
数日前、王太子とリリアーナがいきなり結婚を発表した。婚約を結んだという発表ではない。結婚の発表だ。
加えて新聞には、新聖女としてリリアーナが就任したことが書かれていたが、どうやら彼女の聖女としての力はそこまで強くないらしい。明らかに結界が弱いし、見るからに崩壊寸前だ。そもそも聖女の力は、適性があるだけで崇められるような力である。きっと、力の強弱まで見ていなかったのだろう。
その弊害が、すでに結界に出始めていた。きっとまだ誰も気づいていないのだろう。気づくのは、きっとこの国に直接的な危険が及んだ時だ。
エメラルダはローブを身にまとい、深くフードを被る。そして、天に向かって右手を伸ばした。
「我が名は、エメラルダ・ヴァインベルク。ただいまより、古代魔術の行使を宣言する」
その言葉に応じるように、光の塊がふよふよと舞い始める。そして次第に、鈴を転がすような笑い声が森に響き始めた。
屋敷を抜け出しての散歩のため、護衛はいない。エメラルダは1人、森の中を迷いなく進み、ある地点で足を止めた。
「うーん。やっぱり、張られている結界が弱まっているわね」
見上げた先には、薄い壁が張られていた。しかし、その壁には、時折桃色の稲妻が走っている。それを見て、エメラルダは呆れたようにため息を吐いた。
数日前、王太子とリリアーナがいきなり結婚を発表した。婚約を結んだという発表ではない。結婚の発表だ。
加えて新聞には、新聖女としてリリアーナが就任したことが書かれていたが、どうやら彼女の聖女としての力はそこまで強くないらしい。明らかに結界が弱いし、見るからに崩壊寸前だ。そもそも聖女の力は、適性があるだけで崇められるような力である。きっと、力の強弱まで見ていなかったのだろう。
その弊害が、すでに結界に出始めていた。きっとまだ誰も気づいていないのだろう。気づくのは、きっとこの国に直接的な危険が及んだ時だ。
エメラルダはローブを身にまとい、深くフードを被る。そして、天に向かって右手を伸ばした。
「我が名は、エメラルダ・ヴァインベルク。ただいまより、古代魔術の行使を宣言する」
その言葉に応じるように、光の塊がふよふよと舞い始める。そして次第に、鈴を転がすような笑い声が森に響き始めた。