完璧すぎる淑女は「可愛げがない」という理由で婚約破棄されました。 ~元聖女ですが、古代魔術まで極めてみました~
『魔女様よ』

『古代魔術の行使者様ね』

『美しい魔力ね』

『この土地では何百年振りかしら』

 クルクルとじゃれるように集まってくる光。それを見つめながら、エメラルダは言葉を紡いだ。

「初めまして、皆さん。少々お願いしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
 
『もちろんよ』
『久しぶりのお呼ばれだもの~』

 光が笑いながらも返事をしてくれるのを、エメラルダは静かに見つめる。

「この世にいるであろう、私以外の古代魔術の使い手について教えていただきたいの。どの辺りにいらっしゃるのか、教えていただけないかしら」

『あらあら、古代魔術の使い手はこの世に3人のみなのよ~』
『あなたは4人目よ』
『ここから1番近い行使者は、ここからずーっと東に行った辺境伯領にいるわよ』

「分かりました。ありがとうございます」

『もういいのかしら?』
『まだまだいいのよ~』

「そろそろ戻らないと、お父様とお母様が心配されてしまうので。またお願いしたいときは、勝手ながら呼ばせていただきます」

『うふふ、は~い』
『待ってるわね。新しい行使者様』
 
 綺麗な笑い声は、段々と消えて行った。 それと同時に、私が初めて大々的な古代魔術を行使したからか、光たちは祝福を与えてくれた。

 木々は喜び、風が踊り、月光はその輝きを増す。
 
『お祝いしますよ。≪祝福の魔女≫さま』

 風にフードを持っていかれる。靡く髪を押さえながら、軽く目を細めた。

「こんなにも愛らしい二つ名をいただけるなんて。この世も捨てたものじゃないですね」

 光が笑う声は、どこまでも私のことを歓迎していた。
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