長い春の先にあったのは
メインディッシュも食べ終わってしばらくすると、デザートをウェイターさんが運んでくれた。そのデザートを見て私は目を見開く。デザートは、私の大好きなアイスケーキだった。フルーツがたくさん乗っている。

「わぁ……!」

あまりにおいしそうで、思わず声を出してしまう。すると仁くんに笑われた。

「お前、アイスケーキ本当に好きなんだな」

「うん。大好きだよ」

アイスケーキを味わって食べる。高級ホテルのレストランなだけあって、アイスケーキの味も素晴らしいものだ。今まで食べたアイスケーキの中で一番おいしいかもしれない。

アイスケーキを食べ終えた頃、仁くんが顔を俯かせた。耳までどこか赤い。体調でも悪くなったのかと、私は医者として反射的に声をかけていた。

「仁くん、どうしたの?体調悪い?」

「いや……元気だよ……。ただちょっと……緊張してな……」

仁くんは顔をゆっくりと上げる。リンゴみたいに真っ赤な顔をしながら、スーツのポケットから小さな箱を取り出す。その箱には見覚えがあった。ボーイッシュな女性と選んでいたジュエリーショップのものだ。

「俺、お前と家族になりたい。結婚してほしい」

そう言って仁くんが箱を開ける。そこには、ダイヤモンドの指輪が煌めいていた。

「……は?」

予想していなかった展開に、私の口から自分でも驚くほど低い声が出た。
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