リセッター ~薊~
【曼珠沙華】
♪キーンコーンカーンコーン♪
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
今日もいつも通りに授業を終え、帰ろうとしたとき
「わたなべサン、このあと空いてる?」
と、三津井グループの爽やかな感じの金髪イケメン、「高橋天音(たかはしあまね)」くんに言われた。
「・・空いてるけど?」
「じゃあさ、このあと体育館裏にきてほしいんだ。ちょっと言いたいことがあってー・・。」
「あー、了解。体育館裏ね。」
なんにも用がなかったので、即答する。
「っ本当!?絶対来て!!」
そう言って高橋くんは笑顔で嬉しそうに三津井グループのもとへ帰っていった。
「来てくれるってさ~!」
「やったな、高橋。」
(私に何の用なんだろう・・?)
そう思って三津井グループのほうをジーっと見すぎたせいか、三津井グループのピンク髪のあざとい(?)系男子、「橋爪有成(はしずめゆうせい)」、眼鏡をかけているから見た目は真面目そうだけど、口の悪い男子、「流川緑(ながれかわみどり)」の2人と目が合ってしまった。私と目が合ったとき、2人の顔が少しニヤついていた気がする。
なんでニヤついているのかよくわからなかったけど、私はカバンを持って体育館裏に向かった。
この時の私は、このあと地獄の気分を味わうなど、全く想像していなかった・・。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
高橋くんを体育館裏で待ちつづけ、10分したころ
「え、渡辺さん・・!?」
「明智くん・・?なんでここに?」
「聞きたいのはこっちだよ!なんでいるの・・!?」
(私が先に質問したんだけど・・。)
そう思ったけど
「私は高橋くんに呼ばれて・・」
と答えた。
「・・それはまずい・・。」
「ーえ?いまなんー・・。」
「とにかく、渡辺さん、俺が高橋に言っておくから、帰りな?」
「なんで?」
「なんでって・・。とにかく、帰った方がいい。」
明智くんに帰った方がいい理由を聞いても、はぐらかされて答えてくれない。けど「帰った方がいい」という言葉は何度も必死になって言ってくる。
(なんだか、帰った方がいいような気がする・・。)
そう思って
「じゃぁ私ー・・」
帰るね。と言おうとした時だった。
「わたなべサン、おまたせ~・・って明智、お前話してた??wwよかったね?」
高橋くんがようやく来た。
よくわからないけど三津井グループ全員と共に。
なんで、三津井くんも、霧矢くんも、橋爪くんも、流川くんもいるの・・??
「ーっ・・!」
三津井グループを見て、明智くんの顔が歪む。
ーもしかして、明智くんはいつもここで放課後もいじめられているの・・??
(じゃぁ、私、これから何かやばいことに巻き込まれるー・・?)
そう思って身構えていると、高橋くんが私に近づいてきた。そうして片足を地面につけ、私にひざまずいた。高橋くんのさらさらの金髪が風になびく。そして上目遣いで私の瞳を見つめてくる。
「え、え・・??」
一体何が起こってるの・・!?
戸惑う私を見て、高橋くんはフッと笑った。そして、
「わたなべサン、入学してからひとめぼれで、ずっと好きでした。だからー・・俺と付き合ってくれませんか?」
と言った。
「えーっと・・。」
高橋くんが私を好き・・?いやいやありえないって。こんなイケメンがこの私を好きになる?絶対ありえない。何か裏があるはず。
「嘘コクだと思った?ちがう。俺は本気だよ?」
(一瞬心の中を読まれたかと思った・・。)
私の目を見る高橋くんの目は本気だった。
「俺のこと好きじゃなくてもいい。だから、わたなべサン俺にチャンスをください。今日だけ彼女になって?」
(ーこんなに真剣に言われたら、断りずらいし・・。まぁ、今日だけ彼女になって、「やっぱり無理です。」って言おう。)
そう思って私は、
「わかりました。今日だけ、「彼女」になります。」
と言った。今日だけといっても今は16時でもう時間全然ないしね。
「ーありがとう。”結花”。」
高橋くんはそう言って私の手の甲に口づけをした。
「~っ。くすぐった・・。」
「あれ、こういうの初めて?
「あ、うん・・。」
私は中学でも陰キャだったから、そういう恋愛的なのは皆無なのだ。
「そっかーじゃぁちょっと申し訳ないなぁ・・。」
「え?」
「なんでもない。」
高橋くんは私の肩を抱き寄せた。
まってまって。高橋くんって彼女にめちゃくちゃ甘やかす感じなの?!聞いてないって・・!!
私が心の中で1人騒いでいると、
「明智、俺に先越されちゃったね?」
頭の上で高橋くんの低い声が聞こえた。
「・・”先越されちゃった”ってどういう・・。」
私は高橋くんに問いかけた。
「あぁ、結花は知らないんだっけ?」
高橋くんは明智君を見て、にやにやしている。なんか、怖い・・。
「明智って、わたなべサンのこと、好きなんだよねぇ~」
高橋くんの代わりに橋爪くんが答えた。
「・・え。」
明智くんが、私を・・??いやいや、何のかかわりもなー・・。
「っおまえら!渡辺さんは関係ないだろ!?だからー・・ぐっ!!!」
明智くんのお腹に勢い良く霧矢くんがけりを入れた。そして明智くんは地面に倒れる。その倒れた明智くんを流川くんが足で踏み、
「だまれクラスのゴミが・・。”おまえら”って・・。どういう口きいてんだてめぇ・・!!」
と、冷たい目をしながら低い声で言った。
張り詰めた空気をぶち壊すかのように橋爪くんが明るい声で言った。
「まぁ明智、いつもお前かわいそうだからさ、今日はお前にさぷらーいず!」
「・・サプライズはいいから、やめろ・・。渡辺さんを帰してあげー・・」
次の瞬間、聞こえてきた言葉に、私は耳を疑った。
「渡辺さんを抱いてる姿を見せてあげまーす!」
♪キーンコーンカーンコーン♪
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
今日もいつも通りに授業を終え、帰ろうとしたとき
「わたなべサン、このあと空いてる?」
と、三津井グループの爽やかな感じの金髪イケメン、「高橋天音(たかはしあまね)」くんに言われた。
「・・空いてるけど?」
「じゃあさ、このあと体育館裏にきてほしいんだ。ちょっと言いたいことがあってー・・。」
「あー、了解。体育館裏ね。」
なんにも用がなかったので、即答する。
「っ本当!?絶対来て!!」
そう言って高橋くんは笑顔で嬉しそうに三津井グループのもとへ帰っていった。
「来てくれるってさ~!」
「やったな、高橋。」
(私に何の用なんだろう・・?)
そう思って三津井グループのほうをジーっと見すぎたせいか、三津井グループのピンク髪のあざとい(?)系男子、「橋爪有成(はしずめゆうせい)」、眼鏡をかけているから見た目は真面目そうだけど、口の悪い男子、「流川緑(ながれかわみどり)」の2人と目が合ってしまった。私と目が合ったとき、2人の顔が少しニヤついていた気がする。
なんでニヤついているのかよくわからなかったけど、私はカバンを持って体育館裏に向かった。
この時の私は、このあと地獄の気分を味わうなど、全く想像していなかった・・。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
高橋くんを体育館裏で待ちつづけ、10分したころ
「え、渡辺さん・・!?」
「明智くん・・?なんでここに?」
「聞きたいのはこっちだよ!なんでいるの・・!?」
(私が先に質問したんだけど・・。)
そう思ったけど
「私は高橋くんに呼ばれて・・」
と答えた。
「・・それはまずい・・。」
「ーえ?いまなんー・・。」
「とにかく、渡辺さん、俺が高橋に言っておくから、帰りな?」
「なんで?」
「なんでって・・。とにかく、帰った方がいい。」
明智くんに帰った方がいい理由を聞いても、はぐらかされて答えてくれない。けど「帰った方がいい」という言葉は何度も必死になって言ってくる。
(なんだか、帰った方がいいような気がする・・。)
そう思って
「じゃぁ私ー・・」
帰るね。と言おうとした時だった。
「わたなべサン、おまたせ~・・って明智、お前話してた??wwよかったね?」
高橋くんがようやく来た。
よくわからないけど三津井グループ全員と共に。
なんで、三津井くんも、霧矢くんも、橋爪くんも、流川くんもいるの・・??
「ーっ・・!」
三津井グループを見て、明智くんの顔が歪む。
ーもしかして、明智くんはいつもここで放課後もいじめられているの・・??
(じゃぁ、私、これから何かやばいことに巻き込まれるー・・?)
そう思って身構えていると、高橋くんが私に近づいてきた。そうして片足を地面につけ、私にひざまずいた。高橋くんのさらさらの金髪が風になびく。そして上目遣いで私の瞳を見つめてくる。
「え、え・・??」
一体何が起こってるの・・!?
戸惑う私を見て、高橋くんはフッと笑った。そして、
「わたなべサン、入学してからひとめぼれで、ずっと好きでした。だからー・・俺と付き合ってくれませんか?」
と言った。
「えーっと・・。」
高橋くんが私を好き・・?いやいやありえないって。こんなイケメンがこの私を好きになる?絶対ありえない。何か裏があるはず。
「嘘コクだと思った?ちがう。俺は本気だよ?」
(一瞬心の中を読まれたかと思った・・。)
私の目を見る高橋くんの目は本気だった。
「俺のこと好きじゃなくてもいい。だから、わたなべサン俺にチャンスをください。今日だけ彼女になって?」
(ーこんなに真剣に言われたら、断りずらいし・・。まぁ、今日だけ彼女になって、「やっぱり無理です。」って言おう。)
そう思って私は、
「わかりました。今日だけ、「彼女」になります。」
と言った。今日だけといっても今は16時でもう時間全然ないしね。
「ーありがとう。”結花”。」
高橋くんはそう言って私の手の甲に口づけをした。
「~っ。くすぐった・・。」
「あれ、こういうの初めて?
「あ、うん・・。」
私は中学でも陰キャだったから、そういう恋愛的なのは皆無なのだ。
「そっかーじゃぁちょっと申し訳ないなぁ・・。」
「え?」
「なんでもない。」
高橋くんは私の肩を抱き寄せた。
まってまって。高橋くんって彼女にめちゃくちゃ甘やかす感じなの?!聞いてないって・・!!
私が心の中で1人騒いでいると、
「明智、俺に先越されちゃったね?」
頭の上で高橋くんの低い声が聞こえた。
「・・”先越されちゃった”ってどういう・・。」
私は高橋くんに問いかけた。
「あぁ、結花は知らないんだっけ?」
高橋くんは明智君を見て、にやにやしている。なんか、怖い・・。
「明智って、わたなべサンのこと、好きなんだよねぇ~」
高橋くんの代わりに橋爪くんが答えた。
「・・え。」
明智くんが、私を・・??いやいや、何のかかわりもなー・・。
「っおまえら!渡辺さんは関係ないだろ!?だからー・・ぐっ!!!」
明智くんのお腹に勢い良く霧矢くんがけりを入れた。そして明智くんは地面に倒れる。その倒れた明智くんを流川くんが足で踏み、
「だまれクラスのゴミが・・。”おまえら”って・・。どういう口きいてんだてめぇ・・!!」
と、冷たい目をしながら低い声で言った。
張り詰めた空気をぶち壊すかのように橋爪くんが明るい声で言った。
「まぁ明智、いつもお前かわいそうだからさ、今日はお前にさぷらーいず!」
「・・サプライズはいいから、やめろ・・。渡辺さんを帰してあげー・・」
次の瞬間、聞こえてきた言葉に、私は耳を疑った。
「渡辺さんを抱いてる姿を見せてあげまーす!」