転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
ルリアンがバーガーの包み紙をまとめ始め、他のメンバーも手伝う。もう終わりの時間だ。もうすぐ夜になる。
俺は、皆に気づかれないようにそっとラビッツに耳打ちした。
「ラビッツ、このあと少しだけ時間あるかな」
「? いいわよ」
夕焼けに照らされた頬はほんのり赤く染まっていて、どこか色っぽい。髪に残る水滴が光を受けてきらめいている。
「来年も誰かクラゲを量産してくれないかなー」
「私もそう思っちゃうわね」
皆と笑い合いながら、俺たちは帰路へとついた。
◆
寮の手前でラビッツと二人で道を外れる。辺りはすっかり暗くなってしまった。
「それで、どうしたの?」
「ものすごく待たせてごめん」
ポケットから小袋を取り出す。中には手作りのビーズの指輪。
「納得いくのが、なかなか出来なくてさ」
「そうかなって思ってたわ。はめて?」
「あ、ああ」
躊躇いもなく左手を出してくれるラビッツに胸が高鳴る。
「……すごい。フラワーリングね」
赤とピンクのコスモスを模した小さな花の輪が、ラビッツの薬指を彩る。
「これ以外に、練習でいくつ作ったの?」
「え」
「知りたいんだけど」
「んっと、じゅっ……いや、はち、いや、ろ、ろくくらいかな……」
つい引かれるかなと少なく告げてしまう。
「やっぱりね。ニコラらしい。でも、思った以上だわ。それも全部ちょうだい」
「いやいや、もうこれがベストだから。他はなかったことにしよう」
「……思念品になっちゃうかもしれないわよ?」
否定はできない。ラビッツにつけてほしいと心を込めながら作っていた。
「大丈夫だ。そうなっても、いつかは消える」
誰の記憶にも残らなくなれば。
「可哀想じゃない。使い倒してあげるわよ」
「ええー……」
「それから、私からも」
ラビッツが鞄の中からフェルト人形を取り出した。
「三つもある!?」
俺っぽい人形とラビッツっぽい人形と、ウサギ人形だ。
「ニコラが全然指輪をくれないから、待ちくたびれて三つも作っちゃったのよ」
「すみませんでした……」
「いいわよ。う、嬉しかったし。それに、私も指輪と交換で渡したかったから。途中からは出来上がるまで待っててって気分になったわ」
「そ、そっか」
俺の指輪と同様に、作るたびに上達しているのが分かる。たぶん、ウサギを最初に作ったんだろうな。
俺は、皆に気づかれないようにそっとラビッツに耳打ちした。
「ラビッツ、このあと少しだけ時間あるかな」
「? いいわよ」
夕焼けに照らされた頬はほんのり赤く染まっていて、どこか色っぽい。髪に残る水滴が光を受けてきらめいている。
「来年も誰かクラゲを量産してくれないかなー」
「私もそう思っちゃうわね」
皆と笑い合いながら、俺たちは帰路へとついた。
◆
寮の手前でラビッツと二人で道を外れる。辺りはすっかり暗くなってしまった。
「それで、どうしたの?」
「ものすごく待たせてごめん」
ポケットから小袋を取り出す。中には手作りのビーズの指輪。
「納得いくのが、なかなか出来なくてさ」
「そうかなって思ってたわ。はめて?」
「あ、ああ」
躊躇いもなく左手を出してくれるラビッツに胸が高鳴る。
「……すごい。フラワーリングね」
赤とピンクのコスモスを模した小さな花の輪が、ラビッツの薬指を彩る。
「これ以外に、練習でいくつ作ったの?」
「え」
「知りたいんだけど」
「んっと、じゅっ……いや、はち、いや、ろ、ろくくらいかな……」
つい引かれるかなと少なく告げてしまう。
「やっぱりね。ニコラらしい。でも、思った以上だわ。それも全部ちょうだい」
「いやいや、もうこれがベストだから。他はなかったことにしよう」
「……思念品になっちゃうかもしれないわよ?」
否定はできない。ラビッツにつけてほしいと心を込めながら作っていた。
「大丈夫だ。そうなっても、いつかは消える」
誰の記憶にも残らなくなれば。
「可哀想じゃない。使い倒してあげるわよ」
「ええー……」
「それから、私からも」
ラビッツが鞄の中からフェルト人形を取り出した。
「三つもある!?」
俺っぽい人形とラビッツっぽい人形と、ウサギ人形だ。
「ニコラが全然指輪をくれないから、待ちくたびれて三つも作っちゃったのよ」
「すみませんでした……」
「いいわよ。う、嬉しかったし。それに、私も指輪と交換で渡したかったから。途中からは出来上がるまで待っててって気分になったわ」
「そ、そっか」
俺の指輪と同様に、作るたびに上達しているのが分かる。たぶん、ウサギを最初に作ったんだろうな。