転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
「そういえばリュークは最近、オリヴィアさんと仲よし」 
「「え!」」

 それは意外でした。知らなかったです。

「な、なんでオリヴィア!? 全然接点感じなかっ……あ、呼び捨てにしちゃった。今のなしで! えっと、オリヴィアさんとリュークがいい仲なの?」

 ラビッツさん、私たちと話している時は貴族感がまったくないですよね。

「いい仲じゃないけど……よく名前が出る」
「ええ!?」
「トラのことで相談されてるみたい」
「そうなの!?」

 ラビッツさんとリュークさんは幼馴染らしいので、よけいに驚くのでしょうか。

「知らなかったわ。探ってみたいけど、二人ともポーカーフェイスだから厳しそうね」
「ラビちゃん、覗き見……する?」
「しないわよ!」

 部屋の空気はずっと女子トークでゆるやかです。ラビちゃんの話には心がふわりと温かくなりますし、頬がゆるみっぱなし。ベル子ちゃんの突っ込みも雰囲気を和やかにしてくれますし、なんだか幸せを感じますね。

「……楽しい」

 ぽそりとこぼしたベル子ちゃんの声。どうやら私と同じことを考えていたみたいです。

「私も、すごく楽しいわ」
「私もです。二人は私の大事なお友達です」
「こういうの、またしたい」
「ええ、今度は私の部屋に来てちょうだい。これから先も……ラビちゃんって呼んでくれる友人はいないと思うの」
「もちろんです」
「私も行きたい」

 夢のような時間。

 私は、まだまだ恋愛は先でいいかなと思っています。祖父母がいつか、いい人を見つけてくるのかなと思うと少し憂鬱ですが。まだ先のことです。

 お姫様のようなラビちゃんも、突っ込みが鋭くて実はとっても元気で明るいベル子ちゃんも、きっとパトロール隊がなければ仲よくなってはいませんでした。

「パトロール隊の隊長さんになれて、二人と知り合えてよかったです。とても幸せです」

 紅茶を注ぐ音、クッキーを齧る音、そして笑い声が部屋をやさしく彩る。なんて幸せな時間なのでしょう。

「それで、ルリルリは? よく、あの慰労会に見せかけたお団子品評会で知り合った男の子と話しているのを見かけているわよ」
「学科違うから知らなかった。ルリルリ、どうなの」

 私の話になってしまいました!? 二人のご期待に添える何かはないですよ?

「キリキリ吐いて」
「ベル子、こーゆー時は積極的ね!?」

 二人とも、恋愛話が好きですね。今日のこの午後は、キラキラした宝石のような思い出になりそうです。

 パトロール隊もこのお二人も。
 仲よくなった他のお友達も。
 みんな、大好きです!
 
 
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