転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜
「そうよね、自信持っていいと思うの。いいと思うのに……今回も、デートに誘ってもらえなかったの。たぶん私が断ると思ってるからだろうけど――ううう。おかしいわよね、甘い空気が漂ってる気がするとか言って私も否定してないんだから、デートくらい誘ってくれてもいいのに。察してちゃんになってる自覚はあるけど、私から二人で話したかったとまで言ってるんだから……ね。もうちょっと、もうちょっと……」

 ごにょごにょと声が小さくなっていきます。

「ラビちゃんから、ちゅーとかしてみたら誘ってくれると思う」
「ハードル高いわよ!?」

 ベル子ちゃん、グイグイいきますねー。そしてラビちゃんはものすごく奥手で可愛いです。貴族の方のイメージが変わってしまいますね。

 ニコラさんに伝えたくなってしまう気持ちはありますが……ラビちゃんは望んでいないでしょうからね。

「実際問題、王子が外出デートって少しだけハードルが高いのよね」
「やっぱりそうなんですか」
「隠れて護衛が何人かつくし、事前調査も必要だし」
「王子……大変……」
「貴族も誘拐を警戒して一人で行動はしないけど、王子ほどではないわ。私は一応、人質として有効だから気を付けないといけないけど」

 いきなり物騒な話になりましたね。

「でも、それでも……。昨日も、手しか握れなかったし。手袋もしていたから布越しだったし」
「ラビちゃんが拒否するから」
「だ、だって恥ずかしいもの。いざとなると引いちゃうの! それで、あとから後悔する……」

 また顔を覆ってしまいました。

「でもでも! ニコラだって悪いの。もし私が素直になったらね、なんか……やらしいことしそうだもの」
「むしろ健全」
「ええー……」
「やらしいこと、してあげればいい」
「そ、そんなのっ、無理ぃ」

 ラビちゃんが、赤くなってきゅう〜となっています。こんな時のラビちゃんは、ラビさんじゃなくて、ラビちゃんって感じますね。

「うう〜、二人は何かないの?」
「何かですか?」
「知り合いも増えたし、それにリュークといい仲になりそう……とか」

 仲間を探そうとしてますね?

「リュークは私のことをよく、かばってくれてた。言葉とかヘタで誤解されることもあったから」
「あ、そういえば剣術科で一緒ですもんね」
「今は少しずつ言葉も慣れてきたし。親しい人も多くなって姉も……、たまに会うと少しだけ手を振ってくれる」
「よかったわね、本当によかった」

 ラビちゃんがぶわっと涙ぐみました。

「きっと、少しずつ仲よくなれるわ」
「……ありがと」
「はい、絶対に仲よしになれます! そんな日が来ますよ」
「うん。その日に向かって頑張ろうと思う」

 控え目に笑って決意を瞳に宿すベル子ちゃんは、応援したくなりますね。

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