友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「今すぐにやらなきゃいけないのは、旦那さんと今後についてお話すること!」
「その……。私達、仕事が忙しくて……。週1で帰宅できればいいほうなの……」
「そっかー。話し合うのが億劫なら、思い切って行動から示すのはどうかな? ご飯を作ったり、自分からアタックしたり……!」
「わ、私から!?」

 莉子ちゃんは案外スパルタだ。
 いつまで経っても尻込みする私に、当たって砕けろとアドバイスをしてくるのだから。

「うんうん。それがいいよ! ディレクターさんの旦那様、たろーちゃんと一緒で神経質そうだもん。こっちがガンガンいかなきゃ、仲良くなんてなれないよ!」
「うーん……。確かに、このままはよくないと思うけど……」
「関係が崩壊するの、怖い?」

 相手が職場の人なら、考えるよりも先に即行動できただろう。
 だって、好かれても嫌われてもどちらでも構わないから。

 ――絶対に嫌われたくないと思っている相手だと、ありのままの自分ではいられなくなるらしい。
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