友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「蛍」
「なんだよ」
「嫁が大事なら、伝えたほうがいい。莉子と交流がなければ、取り返しのつかないことになっていた」
俺が鬱々な気持ちをいだいてどうしようもなくなっているのを、見かねたのだろう。
あいつは恩着せがましく、感謝しろとでも言いたげに事実を突きつけてくる。
それが苛立って仕方なかった。
「お前は、いいよな。全部他人事で。俺とそんなに年も変わんねぇのに、好きな女と結婚できて、愛されて。幸せそうで。それに比べて……」
「そっくりだ」
「誰と」
瑚太朗は、俺の質問に答えなかった。
だが、声を聞かなくてもだいたい分かる。
こいつの交友関係は、恐ろしく狭いからだ。
あの女か、菫さんか……。
どっちだろうな。
『たろーちゃん!』
前者がこいつの名を呼ぶ姿を脳裏に思い浮かべ、即座にかき消す。
頭の中がお花畑な子犬みたいな女が、嫉妬なんざするわけがねぇ。
なら、やっぱり……。
瑚太朗が思い浮かべているのは、彼女のほうだろう。
「菫さん、俺のことなんて言ってた?」
「嫁を泣かせるなんて、クソ野郎のすることだ」
「それ、お前の奥さんだろ」
「バレたか」
こうして軽口を叩き合えるくらいの関係になれた同性は、こいつくらいなものだ。
「なんだよ」
「嫁が大事なら、伝えたほうがいい。莉子と交流がなければ、取り返しのつかないことになっていた」
俺が鬱々な気持ちをいだいてどうしようもなくなっているのを、見かねたのだろう。
あいつは恩着せがましく、感謝しろとでも言いたげに事実を突きつけてくる。
それが苛立って仕方なかった。
「お前は、いいよな。全部他人事で。俺とそんなに年も変わんねぇのに、好きな女と結婚できて、愛されて。幸せそうで。それに比べて……」
「そっくりだ」
「誰と」
瑚太朗は、俺の質問に答えなかった。
だが、声を聞かなくてもだいたい分かる。
こいつの交友関係は、恐ろしく狭いからだ。
あの女か、菫さんか……。
どっちだろうな。
『たろーちゃん!』
前者がこいつの名を呼ぶ姿を脳裏に思い浮かべ、即座にかき消す。
頭の中がお花畑な子犬みたいな女が、嫉妬なんざするわけがねぇ。
なら、やっぱり……。
瑚太朗が思い浮かべているのは、彼女のほうだろう。
「菫さん、俺のことなんて言ってた?」
「嫁を泣かせるなんて、クソ野郎のすることだ」
「それ、お前の奥さんだろ」
「バレたか」
こうして軽口を叩き合えるくらいの関係になれた同性は、こいつくらいなものだ。