友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
8・恋愛結婚を始めた私と、彼の気持ち
 大好きな蛍くんと想いを通じ合わせてから、夫婦間のすれ違いは劇的に減った。

 時間の許す限りリビングで過ごすようになったし、ご飯も一緒に食べる。
 こんなに幸せでいいのかなって感じるくらい、充実した毎日を送っていた。

 そのおかげかどうかはわからないけれど、仕事中のちょっとしたミスにも絶望しなくて済んでいる。
 それはプライベートが充実していて、心の余裕ができたからだよね? 

「なんだか最近、仕事中もご機嫌ですね」
「えへへ。わかる?」
「ええ。菫さんを一番近くで見ているのは、俺ですから」

 蛍くんに結婚を持ちかけられるまで、恋なんかする暇はないってやる前から突っぱねていたけれど……。
 こうして経験してみると、こんな生活も案外いいものだなって思える。

「蛍くんとずっと一緒にいられるのが、嬉しくて……。ちょっと、調子に乗ってるかも?」
「切羽詰まった表情で山積みになった仕事を処理するよりは、ずっといいんじゃないですか」
「そうだよね!」

 どんなトラブルもなんのその。
 今なら愛の力で、なんでも跳ね除けられそうだ。
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