友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
 しかし、二人で一緒にこの商業施設へ足を運ぶためには、乗り越えなければならない壁が山程あって……。

 私は問題をクリア出来ているのかを確認するため、疑問を投げかけた。

「ここって確か、半年前から入場券の予約が必要なんじゃ……?」
「チケットは手元にあります」
「凄い! よく取れたね!?」
「ツテがあるので……」

 蛍くんの気まずそうな声を聞き、私は彼が御曹司であることを思い出す。
 本来であれば、一生関わり合いになるはずのない人だ。
 それがなんの因果か、2人は出会い――こうして夫婦になれた。
 それを奇跡と呼ばずして、なんというのか。

「楽しみだね!」
「はい」

 私は蛍くんが気まずそうに視線を逸らす理由を知らぬまま、デート当日を楽しみに待ち続けた。
< 168 / 238 >

この作品をシェア

pagetop