友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「仲のいいカップルのお2人……」
「夫婦です」
「失礼いたしました! 日間ランキング1位の特典として、灯火レストランのペア無料券をお渡しいたします!」

 私達は店員さんから食事券を受け取り、休憩も兼ねて少し早いお昼ご飯を食べようと言う話になった。
 まだ真っ昼間なのに、レストランの館内はとても薄暗い。
 あちこちでLEDライトのろうそくがゆらゆらと揺れているのが印象深かった。

「なんか、凄くロマンティックだね……」
「プロポーズや記念日の食事に、よく利用されるそうです」
「なるほど。だから、無料券をもらえたんだ……」

 どうやらこのお店は、幻想的な光景を堪能しながら優雅に食事を楽しむスタイルのようだ。

「金額は気にせず、好きなだけ頼んでください。ワインもありますよ」
「お酒はいいかな」
「残念です」

 蛍くんは店員さんを呼び寄せると、メニュー表には掲載されていない商品を注文する。

「ご注文はお決まりでしょうか」
「シューティングスターを2つ。1つはノンアルコールの、スパークリングで」
「かしこまりました」

 店員さんが恭しくお辞儀をしたあと、メニュー表を下げて姿を消す。
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