友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
 蛍くんも先程のアトラクションで全力を使い果たし、疲れてしまったのだろうか? 
 なんだか、浮かない表情でじっと黙り込んでいる。
 その姿は私と結婚する前によく見せていた、本音を隠していた時のものとよく似ていて……。
 私は思わず、問いかけてしまった。

「蛍くん。もしかして、無理してる?」
「いえ。話すなら、今しかないので……。食事を食べ終えてから、どう切り出そうか迷っていたところです」
「大事なお話?」
「俺にとっては、そうですね。でも、菫さんには……くだらないと一蹴されてしまいそうな気がしますが……」
「うんん。そんなことないよ!」

 蛍くんのことならなんでも知りたいし、教えてほしい。
 そう、思うから。
 少しでも悩む彼の背中を押せたらいいなと願いを込めて、優しく促した。

「準備が出来たら、教えてほしいな。1人でかかえこんでいるのって、凄くつらいと思うから……」
「お待たせしました」

 店員さんがメイン料理と一緒に水色の綺麗な液体が入ったカクテルグラスを持ってきてくれる。
 縁には星型に切り取られたレモンの皮がくっついており、この幻想的な空間にとてもマッチしていた。
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