友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
『ブボォォォ』
「うわっ!?」

 でも、最新のVRゲームを堪能したら目が覚めたみたい。
 彼は大量に襲いかかるゾンビを拳銃で倒すと、ようやく意識を現実へと引き戻す。

「心臓に悪すぎるだろ……」
「ごめんね? もっと、子ども向けのアトラクションがよかったかな?」
「いえ。このまま、どんどん行きましょう」

 彼は目が覚めたようで、そこから目覚ましい活躍を見せた。
 どこへ行っても何をやらせても、卒なくこなす。
 そんな姿が蛍くんらしいと思うと同時に、ホッとした自分がいることに気づく。

 ――よかった。蛍くん、元気になったみたいで……。

 先程過去を告白していた時の姿とは比べ物にならないほどに明るく光り輝く姿を見たら、こっちだって負けていられない。

 私達は童心に返り、全力でアミューズメント施設のゲームで遊び尽くした。
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