友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「仕事中の私は、だいぶ見苦しいと思うけど……」
「そうですね。猪突猛進って言葉が、よく似合います。たまに空回りして、普通だったら絶対にしないミスをするところとか、かわいいですよね」
彼はお互いの顔が見えないのをいいことに、恥ずかしげもなく私を褒めた。
それに一瞬だけ心臓をときめかせたなんて、信じたくなくて……。
その事実を隠すように、冗談めかして問いかける。
「私に対する恋愛感情は、ないんじゃなかった?」
「ありませんよ」
「だったら、なんで褒めるようなこと……」
「友達の仕草がかわいいって言うの、駄目なんですか」
そう言われてしまったら、おしまいだ。
恋愛感情をいだいていない相手にかわいいと言ったら法律違反なんて、そんな規則はどこにも存在しなかった。
「私と伊瀬谷くんは、友達なんかじゃ……」
「桐川さんって、俺なんかよりもずっと酷い人ですね」
「なんで!?」
「ここは、喜ぶところですよ」
私達がただの上司と部下だと言う事は知っておいてほしい。
そんな思いを込めて伝えた言葉は、残念ながら伊瀬谷くんには届かなかった。
貶したり、褒めたり。彼に翻弄されていちいち一喜一憂している自分が、馬鹿みたいだ。
「そうですね。猪突猛進って言葉が、よく似合います。たまに空回りして、普通だったら絶対にしないミスをするところとか、かわいいですよね」
彼はお互いの顔が見えないのをいいことに、恥ずかしげもなく私を褒めた。
それに一瞬だけ心臓をときめかせたなんて、信じたくなくて……。
その事実を隠すように、冗談めかして問いかける。
「私に対する恋愛感情は、ないんじゃなかった?」
「ありませんよ」
「だったら、なんで褒めるようなこと……」
「友達の仕草がかわいいって言うの、駄目なんですか」
そう言われてしまったら、おしまいだ。
恋愛感情をいだいていない相手にかわいいと言ったら法律違反なんて、そんな規則はどこにも存在しなかった。
「私と伊瀬谷くんは、友達なんかじゃ……」
「桐川さんって、俺なんかよりもずっと酷い人ですね」
「なんで!?」
「ここは、喜ぶところですよ」
私達がただの上司と部下だと言う事は知っておいてほしい。
そんな思いを込めて伝えた言葉は、残念ながら伊瀬谷くんには届かなかった。
貶したり、褒めたり。彼に翻弄されていちいち一喜一憂している自分が、馬鹿みたいだ。