友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
この生活を続けていたら、せっかく築き上げて来た関係性が無に帰してしまいそうだ。
私はそれを恐れ、思い切って提案する。
「あのね。私も、今の仕事を辞めようと思っているの」
「何を言って……」
「こんな時もあろうかと、学生時代に秘書の資格を取得していたんだ。実務経験はないから、即戦力になるかは微妙なところだけどね」
資格を取得したのは、自分の意思ではなかった。
両親が「素敵な旦那様を射止めるためには、自立した女性になるのが最優先」だと騒ぎ立て、強要してきたからだ。
当時はなんで私がこんなことをしなければならないんだろうと不満でいっぱいだったけど、今となっては投げ出さずにきちんとやり遂げた過去の自分を褒めてやりたい。
「違う……。俺は、そんなつもりで言ったわけじゃ……」
「自分を責めないで? 私は、大丈夫だよ?」
「俺は菫さんに、今の仕事を捨てさせるつもりなんかない!」
蛍くんは私が麗出版の編集者として働いているインタビュー記事を見たからこそ、勇気をもらったと言ってくれた。
自分のせいで大好きな人のキャリアは絶たれると思ったら、悔しくて仕方ないのだろう。
私はそれを恐れ、思い切って提案する。
「あのね。私も、今の仕事を辞めようと思っているの」
「何を言って……」
「こんな時もあろうかと、学生時代に秘書の資格を取得していたんだ。実務経験はないから、即戦力になるかは微妙なところだけどね」
資格を取得したのは、自分の意思ではなかった。
両親が「素敵な旦那様を射止めるためには、自立した女性になるのが最優先」だと騒ぎ立て、強要してきたからだ。
当時はなんで私がこんなことをしなければならないんだろうと不満でいっぱいだったけど、今となっては投げ出さずにきちんとやり遂げた過去の自分を褒めてやりたい。
「違う……。俺は、そんなつもりで言ったわけじゃ……」
「自分を責めないで? 私は、大丈夫だよ?」
「俺は菫さんに、今の仕事を捨てさせるつもりなんかない!」
蛍くんは私が麗出版の編集者として働いているインタビュー記事を見たからこそ、勇気をもらったと言ってくれた。
自分のせいで大好きな人のキャリアは絶たれると思ったら、悔しくて仕方ないのだろう。