友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「菫さん。戻りました」
「お帰りなさい!」
私はスマートフォンの画面から顔を上げ、満面の笑みを浮かべてお風呂上がりの彼を見つめた。
急いで出てきたのか、短く切り揃えられた髪の毛先からはポタポタと水滴が垂れている。
「髪の毛、ちゃんと乾かさないと。風邪引いちゃうよ?」
「心配いりません。健康には、自信があるので……」
「そうやって油断してると、あとで痛い目見ることになるんだから。タオル、貸して? 乾かしてあげる!」
「本当に、大丈夫ですから……」
「遠慮しないの!」
蛍くんの背中を押して脱衣所へ追いやると、鏡の前に立たせた。
ドライヤーを手に取ってスイッチを入れたまではいいが、身長差の関係でてっぺんまでは熱風が届きそうにない。
困ったなぁ……。
毛先を入念に乾かしていれば、鏡越しにこちらの反応を確認したのだろう。
彼は気を利かせて、私の手が頭上まで届くように身を屈めてくれた。
「ご、ごめんね。この体制、つらいのに……」
「いえ。髪が乾くまでの間でしたら、問題ありません」
私はさっさと終わらせなければと躍起になり、数分かけて髪を乾かし終えた。
「お帰りなさい!」
私はスマートフォンの画面から顔を上げ、満面の笑みを浮かべてお風呂上がりの彼を見つめた。
急いで出てきたのか、短く切り揃えられた髪の毛先からはポタポタと水滴が垂れている。
「髪の毛、ちゃんと乾かさないと。風邪引いちゃうよ?」
「心配いりません。健康には、自信があるので……」
「そうやって油断してると、あとで痛い目見ることになるんだから。タオル、貸して? 乾かしてあげる!」
「本当に、大丈夫ですから……」
「遠慮しないの!」
蛍くんの背中を押して脱衣所へ追いやると、鏡の前に立たせた。
ドライヤーを手に取ってスイッチを入れたまではいいが、身長差の関係でてっぺんまでは熱風が届きそうにない。
困ったなぁ……。
毛先を入念に乾かしていれば、鏡越しにこちらの反応を確認したのだろう。
彼は気を利かせて、私の手が頭上まで届くように身を屈めてくれた。
「ご、ごめんね。この体制、つらいのに……」
「いえ。髪が乾くまでの間でしたら、問題ありません」
私はさっさと終わらせなければと躍起になり、数分かけて髪を乾かし終えた。