友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
3・両家に事後報告
「校了だー!」
完成した原稿を机の上に投げ出し、喜びを露わにする。
どうにか今月も予定通り、無事に刊行できそうだ。
「菫さん、お疲れ様です」
「お疲れー! 蛍くんのほうは、どう? 終わった?」
「ああ、はい。なんとか……」
「じゃあ、土日は2人ともお休みできそうだね!」
トラブルが起きなければという注釈つきではあるが、ちょっとした開放感に心躍らせる。
就業直後に仕事の疲れを感じさせずはしゃぐこちらの姿を目にしても、蛍くんは顔色の1つも変えずに淡々と声を発した。
「元気ですね」
「つかの間の開放感を噛み締めているところだもん! 世界で一番、幸せなひとときだよ!」
「天国から地獄を味わうことにならなければ、いいのですが……」
「そうと決まれば、さっそく家族に連絡しなくちゃ!」
私はスマートフォンを取り出し、メッセージアプリを起動して文字を打ち込む。
宛先は当然、両親だ。
完成した原稿を机の上に投げ出し、喜びを露わにする。
どうにか今月も予定通り、無事に刊行できそうだ。
「菫さん、お疲れ様です」
「お疲れー! 蛍くんのほうは、どう? 終わった?」
「ああ、はい。なんとか……」
「じゃあ、土日は2人ともお休みできそうだね!」
トラブルが起きなければという注釈つきではあるが、ちょっとした開放感に心躍らせる。
就業直後に仕事の疲れを感じさせずはしゃぐこちらの姿を目にしても、蛍くんは顔色の1つも変えずに淡々と声を発した。
「元気ですね」
「つかの間の開放感を噛み締めているところだもん! 世界で一番、幸せなひとときだよ!」
「天国から地獄を味わうことにならなければ、いいのですが……」
「そうと決まれば、さっそく家族に連絡しなくちゃ!」
私はスマートフォンを取り出し、メッセージアプリを起動して文字を打ち込む。
宛先は当然、両親だ。