友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果

「今日は、お疲れ様でした」
「うんん。こっちこそ、長々と付き合わせてごめんね!」
「いえ……」

 蛍くんのご自宅にお邪魔した私は、食事や入浴を済ませて眠る体制に入る。
 今日こそは同じベッドで寝ようと提案するタイミングを、今か今かと待ち続けていたんだけど……。
 対面の席に座った蛍くんは、神妙な表情でこちらをじっと見つめてきた。
 これは、話し合いがしたいと言う合図だろう。

「これから菫さんと、腹を割って話がしたいです」
「私も、同じ気持ちだよ」
「ありがとうございます。それではさっそく、始めましょう」

 夫の提案を快諾し、まずは彼の主張に耳を傾ける。

「俺はずっと、同居の必要はないと思っていました。それは、今でも変わりません」
「うん……」
「ですが、同じ境遇の人々から体験談を聞いて、思ったんです。パートナーの意見を聞くのも大事だと」
「蛍くん……。無理に私の気持ちを受け入れなくても、いいんだよ?」
「菫さんなら、そうやって自分を責めると思っていました」

 彼は周りをよく見ている。
 そのため、こちらの考えはすべて織り込み済みのようだ。
 蛍くんは仕切り直すと、ある提案をしてくれた。
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