友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
「なので、間を取りましょう」
「2人の?」
「そうです。まずは1か月一緒に暮らしてみて、うまく行きそうだったら引っ越しませんか」
「それはもちろん、構わないけど……。どこでお試し同居をするの?」
「ここしかないでしょう」

 私の暮らしている部屋は家賃の安さとセキュリティを重視している。
 1Kで二人暮らしは、恋愛感情があってもだいぶきついだろう。
 だけど、蛍くんの部屋は1LDK。
 リビングのソファーと彼が普段使っているベッドで寝転べば、ストレスなく寝泊まりできる。

「他人が寝泊まりするようになって、嫌な気持ちにならない?」
「そんな気分になるなら、結婚なんてしてません」
「そっか……。そう、だよね……」

 今まで何度か彼の自宅にお邪魔しているが、勝手にキッチンを借りても嫌がられるようなことはなかった。
 彼がその場しのぎの嘘をついている様はないし、信じるべきだ。

「蛍くんが問題ないなら、お願いしようかな?」

 二人暮らし用の家を借りたあとに「やっぱり駄目でした」なんてことになれば、一気に関係が崩壊する。
 お互いに今の自宅は引き払うため、住む場所がなくなってしまう。
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