弱さを知る強さ
◯あやは◯
もう実習は休めないから行かせてもらうには入院するしか方法がなかった
こんなことで入院なんて大袈裟すぎる
今はもう痛くも痒くもない
金森先生が入院に必要なものを持ってきてくれた
あと着替えは明日、売店で買おう
実習の記録や国試の勉強しながら入院生活を過ごせばあっという間に過ぎるだろう
担当の看護師も挨拶に来てくれて簡単にバイタルをとって部屋を出て行った
今日は一旦、晩御飯を抜きになった
きっとお腹が痛くて倒れたから様子見るための絶食だと思う
私にとっても都合がいい
勉強に集中してると0時をすぎていた
看護師曰く、金森先生が勉強がしやすいように個室を用意してくれたみたい
私そんなお金ないのに
どうしよう...
退院したらバイトもっと入って稼がないと
眠気も来たしそろそろ寝ようかな...
部屋の中にある洗面台で歯磨きを終わらせコンタクトを外しトイレに行って電気を消した
...ガラララ
寝付く寸前に部屋の扉が開いた
看護師のラウンドだろう
「おーい、寝たか?」
金森先生だ
「...なに?」
「まだ起きてんのか」
「もう寝るところ」
「ちょうどいい、この薬飲んで寝ろ」
暗いしコンタクトも外したためはっきり見えない
「なに?」
「寝つきやすい薬」
「なんで?こんなのなくても寝れるよ」
「途中で起きないように」
「...何企んでんの」
◯