弱さを知る強さ

◎恭介◎

さっき神田あやはは意識が戻った瞬間、点滴を嫌がり自抜しかけた
寝てる間になら最後まで点滴できるんじゃないか

普通の睡眠だと針入れた瞬間に起きるだろうし深く眠りについてもらう必要がある

あいつの部屋に行ったら真っ暗だった

「おーい、寝たか?」

「...なに?」

「まだ起きてんのか」

「もう寝るところ」

「ちょうどいい、この薬飲んで寝ろ」

軽い睡眠薬を渡した

「なに?」

「寝つきやすい薬」

「なんで?こんなのなくても寝れるよ」

「途中で起きないように」

「...何企んでんの」

「点滴入れたいが起きてると嫌がる
だから寝てる間に入れたい」

「嫌だ」

「さっき意識ないとかはちゃんとできてたろ
寝てる間に終わらせて起きた時にはなんもないようにするから」

「...いや」

「入院した意味ないだろ」

「嫌だって」

「じゃあ意識あるままやるか?」

「...」

「変なことはしない、起きた時には終わってるから薬飲んでぐっすり寝ろ」

「...点滴以外はやらないで」

「わかった」

俺が渡した睡眠薬を受け取って飲んでベッドに入った

「おやすみ」

「ん」

頭まで掛け布団をかけて眠りについた

完全に寝るまで待つ必要がある
そっと部屋を出て点滴の準備をした

1時間ほど経ってから部屋に戻って様子を見たら熟睡している様子だった

絶対に起こさないように電気も最小にして物音もなるべく立てないようにして点滴をした

流石、俺
無事起こさず点滴を入れることに成功

3時間ほどで終わってそっと針を抜いた

寝てる状態であれば点滴ができることがわかった


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