弱さを知る強さ
◯あやは◯
「おはようございます。」
7:00
朝の検温に看護師がきた
薬飲んで寝たら1回も起きることなく朝を迎える
しかも看護師の声で起こされる
多分看護師が来なければ昼まで寝てる自信がある
昨日と同じように点滴された跡はあるけど意識なかったから吐き気や不快感はない
...ガラララ
「おはよう」
検温を終えた頃、金森先生がきた
「...」
「昼過ぎもっかい軽く寝てもらう
その間にささっと検査を終わらせる」
「...」
「ただ1つ頑張って欲しいことがある」
「...なに?」
「眠るための薬は点滴だから起きてる間にルート取らないといけない
それだけ頑張って欲しい」
「...無理」
「大丈夫、あやは、お前ならできる」
あやはって言った?私の名前呼んだ?
いつもお前とかおいとかなのにあやはって名前で呼んだ
「...//」
「点滴は俺がやる、痛くないし一瞬で終わる」
確かに上手だと思う
寝てるとは言え痛くも痒くもない
でも...
「内服薬もほしい、ちょっとウトウトしながらじゃないとできない」
「んー内服と点滴、二重で薬いれるのはあまりしたくない」
「...じゃあできない」
「頑張ってみよう、頑張ってダメならまた考えたらいい」
「...」
「ははっ点滴もできないのに看護師なんかになれるの?ねぇ、金森先生」
検温にきた若い看護師が鼻で笑いながらぼそっと言った
言われたくない言葉
ついに言われてしまった
そうだよ私が1番わかってる
でも苦手なものは人それぞれある
高いのが苦手、狭いのが苦手、暗いのが苦手
私は身体に何かを入れるのが苦手
気づいたのは幼稚園の時の予防接種
打つたびに体調が悪くなって意識がなくなってしまう
熱が下がらなくて血液検査したときも意識がなくなった
内服は徐々に慣れて飲めるようになったけど昔はダメだった
飲食以外に身体に何かを入れる
それが苦手で仕方ない
だから検査もできない
だって口やお尻からカメラを入れるんでしょ
知ってるよ勉強してるもん
だからってできるかどうかはまた別の話
それの何が悪いの?
苦手なものがあったら看護師になっちゃいけないの?
私が看護師になる理由
それはお母さんと約束したから
お父さんが中学1年生の時交通事故で亡くなった
その3年後お母さんが乳がんで亡くなった
お母さんは素敵な看護師や医師に心と体を支えてもらって最後まで素敵な人生を送った
その姿をみて私は看護師になることを決めた
お母さんも看護師はいい仕事だから頑張りなさい
そう言って応援してくれた
それから猛勉強して今の大学に主席で合格し学費もかかっていない
生活費だけ稼ぐためアルバイトしながら学生を全うしてる
そんな状況も知らずぽろっと発した言葉がどれだけ人を傷つけるかわからない看護師もいるんだ
少し残念だった
「金森先生、私帰る」
「検査は?」
「しない」
「眠ってる間に終わらせるから」
「しないって決めた」
「ははっそんな金森先生困らせないでね
金森先生も暇じゃないんだから、神田さん」
私この看護師嫌い
「いま俺があやはと話してる
検温終わったなら出て行ってくれ」
金森先生が怒った
私じゃなくて看護師に...怒った
「...」
看護師は顔を歪ませて部屋を出て行った
「別に俺はお前が看護師になる、ならない関係なく病気を治すために苦手なものを克服しないといけない、ただそれだけしか考えてない
そのためにどうしたらいいか常に考えてる」
「私はやりたくない
それしか考えられない」
「わかった、ちょっと考える
でも今日、絶対検査はする、それだけは決定事項だから」
「...」
「ゆっくりしとけ」
部屋を出ていった
◯
「おはようございます。」
7:00
朝の検温に看護師がきた
薬飲んで寝たら1回も起きることなく朝を迎える
しかも看護師の声で起こされる
多分看護師が来なければ昼まで寝てる自信がある
昨日と同じように点滴された跡はあるけど意識なかったから吐き気や不快感はない
...ガラララ
「おはよう」
検温を終えた頃、金森先生がきた
「...」
「昼過ぎもっかい軽く寝てもらう
その間にささっと検査を終わらせる」
「...」
「ただ1つ頑張って欲しいことがある」
「...なに?」
「眠るための薬は点滴だから起きてる間にルート取らないといけない
それだけ頑張って欲しい」
「...無理」
「大丈夫、あやは、お前ならできる」
あやはって言った?私の名前呼んだ?
いつもお前とかおいとかなのにあやはって名前で呼んだ
「...//」
「点滴は俺がやる、痛くないし一瞬で終わる」
確かに上手だと思う
寝てるとは言え痛くも痒くもない
でも...
「内服薬もほしい、ちょっとウトウトしながらじゃないとできない」
「んー内服と点滴、二重で薬いれるのはあまりしたくない」
「...じゃあできない」
「頑張ってみよう、頑張ってダメならまた考えたらいい」
「...」
「ははっ点滴もできないのに看護師なんかになれるの?ねぇ、金森先生」
検温にきた若い看護師が鼻で笑いながらぼそっと言った
言われたくない言葉
ついに言われてしまった
そうだよ私が1番わかってる
でも苦手なものは人それぞれある
高いのが苦手、狭いのが苦手、暗いのが苦手
私は身体に何かを入れるのが苦手
気づいたのは幼稚園の時の予防接種
打つたびに体調が悪くなって意識がなくなってしまう
熱が下がらなくて血液検査したときも意識がなくなった
内服は徐々に慣れて飲めるようになったけど昔はダメだった
飲食以外に身体に何かを入れる
それが苦手で仕方ない
だから検査もできない
だって口やお尻からカメラを入れるんでしょ
知ってるよ勉強してるもん
だからってできるかどうかはまた別の話
それの何が悪いの?
苦手なものがあったら看護師になっちゃいけないの?
私が看護師になる理由
それはお母さんと約束したから
お父さんが中学1年生の時交通事故で亡くなった
その3年後お母さんが乳がんで亡くなった
お母さんは素敵な看護師や医師に心と体を支えてもらって最後まで素敵な人生を送った
その姿をみて私は看護師になることを決めた
お母さんも看護師はいい仕事だから頑張りなさい
そう言って応援してくれた
それから猛勉強して今の大学に主席で合格し学費もかかっていない
生活費だけ稼ぐためアルバイトしながら学生を全うしてる
そんな状況も知らずぽろっと発した言葉がどれだけ人を傷つけるかわからない看護師もいるんだ
少し残念だった
「金森先生、私帰る」
「検査は?」
「しない」
「眠ってる間に終わらせるから」
「しないって決めた」
「ははっそんな金森先生困らせないでね
金森先生も暇じゃないんだから、神田さん」
私この看護師嫌い
「いま俺があやはと話してる
検温終わったなら出て行ってくれ」
金森先生が怒った
私じゃなくて看護師に...怒った
「...」
看護師は顔を歪ませて部屋を出て行った
「別に俺はお前が看護師になる、ならない関係なく病気を治すために苦手なものを克服しないといけない、ただそれだけしか考えてない
そのためにどうしたらいいか常に考えてる」
「私はやりたくない
それしか考えられない」
「わかった、ちょっと考える
でも今日、絶対検査はする、それだけは決定事項だから」
「...」
「ゆっくりしとけ」
部屋を出ていった
◯