私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
素直に受け取ると一ノ瀬はローストビーフを豪快に頬張る。男の人が食べる姿って、勇ましくて見ていて気持ちがいい。
男の圧倒的なタフさを感じる。
「あ、ビール飲む?」
「飲まん」
即レスされ、ぷぷっと笑ってしまう。その風貌でお酒が一滴もダメって、いったいどんなギャグ? って最初思ったけど、本当に体に合わないらしい。
飲むと全身赤くなって、具合が悪くなるのだとか。人は見かけによらない。
こいつと最初に話したのは入社してすぐの研修期間のときだった。同じグループになり、一緒にビジネスマナーや電話応対などの研修を受けたのだ。
一ノ瀬に「愛想」という言葉は皆無のようで、講師にいつも「もっと笑って」などと注意されていた。
彼的には精一杯笑っていたようなのにまったく伝わらず、それがおかしくてつい吹き出してしまったのを覚えている。
それがきっかけで話すようになり、今でもよく一緒にごはん行ったり、会えば雑談したりする。気が合うかと聞かれたらすごく合うわけではないが、ただこいつの前では自分を偽らなくていいから楽なのだ。そう、ただそれだけ。
「ちょっ、凛! あれ見て」
菜穂が持っていたフォークで興奮気味に入り口を指す。その先を辿れば、見覚えのある男性の姿が……。
「木崎さんじゃない?」
「本当だ」
「話しかけてきなよ! ほら、早く!」
男の圧倒的なタフさを感じる。
「あ、ビール飲む?」
「飲まん」
即レスされ、ぷぷっと笑ってしまう。その風貌でお酒が一滴もダメって、いったいどんなギャグ? って最初思ったけど、本当に体に合わないらしい。
飲むと全身赤くなって、具合が悪くなるのだとか。人は見かけによらない。
こいつと最初に話したのは入社してすぐの研修期間のときだった。同じグループになり、一緒にビジネスマナーや電話応対などの研修を受けたのだ。
一ノ瀬に「愛想」という言葉は皆無のようで、講師にいつも「もっと笑って」などと注意されていた。
彼的には精一杯笑っていたようなのにまったく伝わらず、それがおかしくてつい吹き出してしまったのを覚えている。
それがきっかけで話すようになり、今でもよく一緒にごはん行ったり、会えば雑談したりする。気が合うかと聞かれたらすごく合うわけではないが、ただこいつの前では自分を偽らなくていいから楽なのだ。そう、ただそれだけ。
「ちょっ、凛! あれ見て」
菜穂が持っていたフォークで興奮気味に入り口を指す。その先を辿れば、見覚えのある男性の姿が……。
「木崎さんじゃない?」
「本当だ」
「話しかけてきなよ! ほら、早く!」