私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~

そう指摘され思いっきり両頬を手で包む。覆う頬は明らかに熱くて、赤くなっているのが想像できた。

「だ、大丈夫です」
「それならよかった」

爽やかなスマイルを見せられ、ドキッと心臓が跳ねる。

目を細めて柔らかく微笑む顔は、何度見ても飽きない。むしろもっと見たいと思っている自分がいる。

「この前部長が話していた件、今度医事課にじっくり話を聞きに行かせてもらうね」
「あ、はい。ぜひ」
「もしよかったら連絡先交換できる?」

え? 今連絡先って言った? 

不意を突かれ、その場で目をぱちくりとしてしまう。これは仕事の延長? それとも……。

「ごめん、ダメだった?」
「ち、違います。そうじゃなくて……驚いてしまって」
「冴島さんと、もう少し話してみたいなと思って」

私と、話したい? 

誰がこんなシチュエーションを想像しただろう。まさか木崎さんのほうからそんな風に声をかけてくれるなんて。
 
彼の前では失態しか見せていないのに、いったいどういう感情なのだろう?

私の気を引いて高価な物品を納入させようって魂胆? いやいや、私のような平社員に媚びたところで、どうなる問題でもない。

「なんで私? って顔してるけど、正直今チャンスだと思ってる」
「それはどういう……」

言葉尻をすぼめながら、返答を待つ彼におずおずと尋ねる。

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