私の愛すべき人~その別れに、愛を添えて~
翌日、木崎さんから改めて、待ち合わせ場所や時間の連絡があった。
約束の店は、都心にありながら隠れ家のような雰囲気を持つ、お洒落なイタリアンレストランだった。彼が選んでくれたということに、胸が高鳴る。
デート当日。朝から何を着ていくか、クローゼットの前で悩んでばかりいた。新しい服を買う時間もなかったけれど、せめて手持ちの服で最高のコーディネートを見つけたい。鏡の前で何度も着替え、結局選んだのは、オフホワイトの柔らかなニットに、裾がふわりと広がるネイビーのフレアスカート。
足元は歩きやすくて上品に見えるローヒールのパンプスを選んだ。派手すぎず、でも地味すぎないように。彼の隣に立っても、違和感なく溶け込めるような、そんな自分でありたかった。
メイクもいつもより時間をかけた。少しだけ目元を華やかにリップは肌なじみの良いコーラルピンクを選んで、血色感をプラスする。鏡に映る自分を見て「うん、悪くない」と小さく頷いた。
待ち合わせの時刻より少し早く店に着くと、既に木崎さんは店の前で待っていた。ネイビーのジャケットをスマートに着こなし、いつもの姿とはまた違った、柔らかな雰囲気を纏っている。
「すみません、お待たせしました」
「いえ、僕も今着いたところです」