悪女は穏やかに眠りたい ~『天使の寝顔』は追放先で溺愛される~
2人が何かを言おうとした時、ガタリと大きな音を立てて馬車が止まった。そして、外からノックをされる。
「はい」
返事をすると馬車の扉が開いた。その瞬間、身体が凍り付くような圧迫感を全身に受ける。
馬車の先にいたのは、数多の獣人たち。しかしその容姿は思ったより人間に近く、違う所と言えば頭に生えている獣の耳と、腰辺りから伸びる尻尾だろうか。顔だけ見れば、人間と大して違わない。
「ガルデア国へようこそ、アメリア・フォン・グロースター嬢」
低く唸るような声が私の耳に届いた。
声の主は、美しい容姿をした男性__ガルデア獣人国の国王であるルグス・アズマリー・ガルデアだった。
彼の瞳は、鮮やかな金色をしていた。頭部には狼の耳が生えており、そこから伸びる銀色の髪は、まるで月の光を集めたように美しい。しかしその顔は無表情で、私への関心など微塵も感じさせない。
(それにしても、王者の風格とはまさにこのことね)
圧だけで相手を支配できそうなほどだ。現に馬車の中にいる護衛は、彼の圧に屈して小さく震えている。
私は馬車から降りると、彼らが見下ろす前で声を張った。
「お初にお目にかかります、ルグス様。改めまして、アメリア・フォン・グロースターと申します。政略結婚という名ではありますが、私への扱いに一切の規則はございません。どうぞ、お好きなように使ってください」
そして、丁寧に頭を下げた。
「はい」
返事をすると馬車の扉が開いた。その瞬間、身体が凍り付くような圧迫感を全身に受ける。
馬車の先にいたのは、数多の獣人たち。しかしその容姿は思ったより人間に近く、違う所と言えば頭に生えている獣の耳と、腰辺りから伸びる尻尾だろうか。顔だけ見れば、人間と大して違わない。
「ガルデア国へようこそ、アメリア・フォン・グロースター嬢」
低く唸るような声が私の耳に届いた。
声の主は、美しい容姿をした男性__ガルデア獣人国の国王であるルグス・アズマリー・ガルデアだった。
彼の瞳は、鮮やかな金色をしていた。頭部には狼の耳が生えており、そこから伸びる銀色の髪は、まるで月の光を集めたように美しい。しかしその顔は無表情で、私への関心など微塵も感じさせない。
(それにしても、王者の風格とはまさにこのことね)
圧だけで相手を支配できそうなほどだ。現に馬車の中にいる護衛は、彼の圧に屈して小さく震えている。
私は馬車から降りると、彼らが見下ろす前で声を張った。
「お初にお目にかかります、ルグス様。改めまして、アメリア・フォン・グロースターと申します。政略結婚という名ではありますが、私への扱いに一切の規則はございません。どうぞ、お好きなように使ってください」
そして、丁寧に頭を下げた。