悪女は穏やかに眠りたい ~『天使の寝顔』は追放先で溺愛される~
 案内をしてもらう中、彼女は様々なことを教えてくれた。
 施設や私室の案内だけに留まらず、ガルデア獣人国についても教えてくれる彼女は楽しげに尻尾を揺らしていた。

 その中でも特に興味を持ったのは、獣人特有の成長速度についてだ。

「え、今年で15歳なの!?」
「はい!種族にもよりますが、獣人は大体10歳ぐらいから成人とみなされて、働くことができるのです!」 

 これは困った。見た目で年齢の予想をつけることができないのは、なかなか厄介だ。
 ネネシェさんが15歳ということは、私とは8歳差ということになる。そう考えると、そこそこ年齢差がある。

「あれ、ということは国王陛下は…」
「陛下は今年で24歳になられます!」
「わ、私と1歳差…?」

 30代手前だと思っていたが、まさかの年齢だ。いや、別に何も気にしないのだが、、
 とりあえず、ご本人を目の前にこの反応をしなくて良かったと安堵する。本人の目の前だったら失礼極まりないだろう。

「ですが、そもそも年齢を気にしている方は滅多にいませんのでご安心ください!」

 彼女の言葉を鵜呑みにして安心していいのだろうか。
 でも、獣人は実力主義な社会を築いていると聞いたことがある。そういう社会ならば、年齢を重視しないのも納得だ。

(きっと、まだまだ知らないことが沢山あるんだろうな)

 これから学ぶことが多いことを察する一方、新しい知識に胸を躍らせる自分もいたのだった。
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