続・幼なじみの不器用な愛し方
「うん……そう。そうです。わたし、京都に来てからいい出会いばっかり」


明海さんも、石田さんも、たまたま見つけたオシャレなパン屋さんも、土手沿いの散歩も。

ここに来た自分を、ようやく少しずつ肯定してあげられているのは、巡り会った人達や物が、本当に素敵だと思えるからだ。


「気が向いたら、石田さんが書いてるお話教えてくださいね」


おどけて言うわたしに、石田さんは「気が向いたら」と静かに笑った。




梅雨が明け、京都の蒸し暑さを身に沁みて感じるようになった7月。

新しく通うようになった産院の一室で、エコーの映像を凝視する。


「──うん、今回はちゃんと見えたね。赤ちゃん、男の子ですよ」


ハキハキとした女医さんが、カーテンの向こうからハキハキとした口調でエコーで見えた映像を説明してくれる。

わたしのお腹ですくすくと育っているまめちゃんは、男の子らしい。




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