続・幼なじみの不器用な愛し方
「来てもらっといてなんやけど、今日はもうオープンせんと仕事しようと思ってて。だから、手伝いはええよ」


あくびを噛み殺す石田さん。

たぶん、家に帰らず徹夜で執筆されてたんだろうなぁ……。

仕事がひと段落したら、切り上げて家に帰るんだろう。

前回の締切前にも似たやうなことがあったので、わたしも素直に頷く。


「わかりました。お仕事頑張ってください」


資料のとっ散らかったテーブルを横目に、わたしは店舗を後にした。




とは言え、家に帰っても特にすることはない。

当分のご飯は昨日まとめて作っちゃったし、本も読み終えちゃったし……。


「どら焼き、買いに行こうかな」


いつものパン屋さんでお昼ご飯を買って、ついでにどら焼きも買いに行こう。

どら焼きだったら、石田さんに差し入れしたってハズレではないはずだ。


一度帰ったわたしは、ショルダーバッグを手に取って再び家を出た。




5連休3日目の今日は、秋晴れの心地いい陽気だ。

バス停まで歩いて、慣れ親しんだバスに乗り込む。

窓の向こうに見える土手にはいつもより人の数が多く、交通量だって増しているように見えた。


終点でバスを降りると、2つの線が乗り入れている駅はやっぱり混雑していた。
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