続・幼なじみの不器用な愛し方
この辺りも普段より賑わっていて、空いているベンチを探すのも一苦労だ。

たまたまベンチに座っていたご老人が席を立ったタイミングで前を通りかかり、戻らないことを確認して腰を下ろした。


「ふぅ……」


コンビニで買った麦茶とカスクートで、お昼ご飯にする。

秋の爽やかな風が、火照る頬を冷ますようで気持ちがいい。


カスクートを食べ終わる頃、ポケットの中でスマホが短く震えた。

最後の一口を押し込んで画面を見ると、宮水の名前が表示されている。


[暇だったら、電話してもいい?]


先月京都で会ってからも、宮水は変わらずわたしを気にかけて、時間が空いた時は電話のお誘いをくれる。

わたしにとっては気兼ねなく話せる貴重な存在なので、ありがたい。


指輪の件は、直後にお礼を伝えた以外、何も言っていないし何も聞いてこない。

それでいいのだと思う。

このことについては、きっとそれで。


メッセージの返信を打たずに、電話をかける。

と、発信音はすぐに切れて電話口から明るい声が聞こえてきた。


『やほ。今、大丈夫だった?』

「うん、大丈夫だよ。何してたの?」

『美容院行って、今帰ってきたとこ。お昼ご飯食べてる間、相手してくれないかなーと思って』
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