続・幼なじみの不器用な愛し方
少しの震えを伴って放たれる言葉の一音ずつが、わたしを引き止める網になって結われていく。


「どれだけ考えてもわからなかった。なんで突然別れを切り出されたのか。俺だけならまだしも、全てを捨ててまでいなくなった理由が。

でも……その姿を見て、そのネックレスにした指輪を見て、ようやくわかった」

「やめて」

「なぁ、美月」

「違うから。やめて。言わないで」


空いている左の手で、左耳を塞ぐ。全てを拒むように、ぶんぶんと首を振る。

聞いてしまったら、言われてしまったら、終わりなのに。


「そのお腹の子は、俺の子なんだろ……?」


聞きたくなかった。言われたくなかった。

だって、そんな風に言われたら否定できないから。

否定することは、まめちゃんのことをも否定することになってしまう。

お腹の中でもう耳が聞こえているまめちゃんに、そんなこと聞かせられないよ。


「……っ」


言葉を探しあぐねていると、前方から20代くらいの男女が歩いてきた。

1人の視線があるタイミングでわたしの後ろに留まり、すぐにもう1人の焦点も同じところに定められる。


「あの人、芸能人かな。スタイルすごくない?」

「ほんまや。顔見えへんけど、誰かに雰囲気似てるな」


潜められはしていても、はっきりと会話の内容は聞こえてくる。
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