続・幼なじみの不器用な愛し方
静寂を切り裂いた声は、放った自分でもびっくりするくらい硬いものだった。

恐る恐る向かいにいる有斗を窺うと、あぁ、と小さく漏らしてから形の良い唇が動かされる。


「美月ママから連絡があったんだ。非通知で無言の電話がかかってきたって。それが、美月からだったんじゃないかって」

「それだけで、なんで……」

「電話、外でかけただろ? その時、近くを選挙カーが走ったか街頭演説があったかして、遠くに議員らしき名前が聞こえたってさ。

美月ママに相談受けてその名前で検索したら、京都の現職議員だって出てきた」


う、嘘でしょ……!?

そんなポカをやらかしちゃうなんて……。

盲点だった。自分のツメの甘さに愕然とする。

でも……。


「お母さんに電話してから、1週間も経ってないよ……?」


わたしの失態で居場所の検討がついたのはわかる。

でも、多忙を極める有斗がここにいる意味がわからない。

突然消えた元恋人を当てもなく探すためにスケジュールを空けられるほど、有斗は暇じゃないはずだ。


「……元々、この大型連休は近藤さんがスケジュール空けてくれてたんだ。

ほんとは仕事入ってたみたいけど、オフの俺があまりにも抜け殻だったから、気遣ってくれたぽい」


プロ失格だよな、と有斗が自虐気味に口角を持ち上げた。
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