続・幼なじみの不器用な愛し方
奥歯をぐっと噛み締めて、波が収まるまで耐える。
「でもさ、すごいやんか。今日何話したんかは知らんけど、めちゃくちゃ忙しいやろうにわざわざ京都まで探しに来たんやろ」
「……はい」
「秋山さんが迷ってる理由もわからんでもないけどさ。ごちゃごちゃ難しく考えんと、気持ちに素直になってみてもええんちゃう?」
慎重に言葉を選びながら、石田さんがわたしに語りかける。
その言葉はまるで夜道を照らす蛍のように、きらきらとわたしの道を灯す。
「腹の中にどす黒い感情があったとしても、全部ぶつけたったらええねん。消えた彼女をこんなとこまで探しに来れるやつなら、それくらいは受け止められるやろ」
「でも……」
「意地張りっぱなしはもったいないで。伝えられる距離に、相手がちゃんとおるんやから」
──それは、鈍い痛みを伴ってわたしの心に響いた。
キルシュに込められた、石田さんの想い。
この人が伝えたい相手に、声はもう届かないんだ。
「嫌味じゃないで。……さくらのこと、明海さんら以外に久々に話してさ。秋山さんの話も聞いて、なんかちょっと親近感湧いたりもしてたけど」
一旦言葉が置かれ、メガネの奥でふわりと目が細められた。
心地よい風が廊下に吹き込んで、秋の夜は長いのだと思い知る。
「でもさ、すごいやんか。今日何話したんかは知らんけど、めちゃくちゃ忙しいやろうにわざわざ京都まで探しに来たんやろ」
「……はい」
「秋山さんが迷ってる理由もわからんでもないけどさ。ごちゃごちゃ難しく考えんと、気持ちに素直になってみてもええんちゃう?」
慎重に言葉を選びながら、石田さんがわたしに語りかける。
その言葉はまるで夜道を照らす蛍のように、きらきらとわたしの道を灯す。
「腹の中にどす黒い感情があったとしても、全部ぶつけたったらええねん。消えた彼女をこんなとこまで探しに来れるやつなら、それくらいは受け止められるやろ」
「でも……」
「意地張りっぱなしはもったいないで。伝えられる距離に、相手がちゃんとおるんやから」
──それは、鈍い痛みを伴ってわたしの心に響いた。
キルシュに込められた、石田さんの想い。
この人が伝えたい相手に、声はもう届かないんだ。
「嫌味じゃないで。……さくらのこと、明海さんら以外に久々に話してさ。秋山さんの話も聞いて、なんかちょっと親近感湧いたりもしてたけど」
一旦言葉が置かれ、メガネの奥でふわりと目が細められた。
心地よい風が廊下に吹き込んで、秋の夜は長いのだと思い知る。