続・幼なじみの不器用な愛し方
石田さんも明海さんも、京都に来て出来た大切な存在だ。

そんな彼らのことを話すのは楽しくて、思わず声を弾ませたわたしの首元で、有斗が低く唸る。


「……信用してる人なのはわかった。けどもう勘弁して」

「勘弁って……石田さん、奥さんのこと大好きな人だよ?」

「そうだとしてもだ。これ以上は、さすがに妬く」


掠れた低音に甘さが混じって、耳に熱が集まった。

元来ヤキモチ妬きだった有斗が、こんなふうに嫉妬心を露わにするのは随分久しぶりだった。

後ろから抱き締められているせいで顔は見えないけれど、ぷくっと頬を膨らませた顔が目に浮かぶ。


「なんか、学生の頃の有斗みたいだね」

「……大人になってからは、めちゃくちゃ我慢してたもん」

「そうなの?」

「仕事で、どうしたって美月以外と近づくことのある俺が、自分のことは棚に上げて周りの男に嫉妬するとかずるいだろ」


知らなかった。そんなこと思ってたんだ……。

預かり知らぬところで繰り広げられていた葛藤を、思いがけずに知ってしまった。


扉の前で、そのままの体勢で話をするわたし達の間にあるのは、別れる前のような、離れていた時間を感じないような温度だった。




「聞きたいことは山ほどあるんだけど」
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