続・幼なじみの不器用な愛し方
「今更じゃない?」

「じゃない」

「都合よすぎない?」

「よすぎない。もし、万が一、仮にそうだったとしても、何も問題ねーよ」


有斗がそっとわたしの首に腕を回す。

髪の毛をかき分けて、何をするのかと思いきや、ネックレスの金具が外された。

チェーンから指輪を抜き取って、それからわたしの左手を取る。


「前に、おまえのこと一生好きだって言ったことあったけど、違った。そんな言葉じゃ足りなかった」

「ある……」

「愛してるよ、美月。改めて、俺とまめと、家族になってほしい」


そう言って──有斗は指輪をわたしの左手薬指にそっと通した。

18歳の有斗がくれた約束が、7年間わたしを支え続けてくれたお守りが、もうすぐ26歳になるわたしに永遠を誓う。


家族になる。

その覚悟の中に、今度はまめちゃんの姿もある。


まめちゃんをお風呂に入れ、服を着せて、ミルクをあげて、夜泣きに何度も起こされて。

ヘトヘトになって、お疲れさまってお互いを労わって、沢山の言葉を交わして束の間の夫婦の時間を過ごす。

それはきっと、芸能人だとか一般人だとか関係ない、ただ幸福な家族の姿だ。


「わたしも、有斗と家族になりたい……っ」


あの時言えなかった。言いたかった台詞を、やっと声に乗せられた。

本懐を遂げたような安心感に、蛇口が壊れたように涙がどばどば溢れ出す。
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