続・幼なじみの不器用な愛し方
「明美さん、見すぎ」

「え? え、だって……」

「神崎さんの顔に穴開いてまうから。落ち着いて」

「と、智くんはなんでそんな落ち着いてんの」

「俺は一昨日会うたからな」


そんなことを言う石田さんだけど、少しびっくりした様子を見せただけで、すぐに意識は切り替わってたけどなぁ……。

わたしが思ったことを有斗も同様に感じたのか、隣から視線を感じて思わず笑ってしまった。


初めはプチパニックを起こしていた明美さんも、談笑していくうちに慣れていった。

新幹線の時間に合わせて有斗がキルシュを出る頃には、おひさまみたいな明るさで有斗と打ち解けていたのだった。




連休明け、検診の予定はなかったけれど病院に行き、引っ越しが決まったことを伝えた。

紹介状を書いてもらい、転院先を早めに決めておくように言われる。


「引っ越し作業もあると思うけど、くれぐれも無理はしないようにね」


念を押すように言われたので、わたしは素直に頷いた。




『まじで、絶対、無理すんなよ』


ベッドの上に置いたスマホから、スピーカー越しに有斗の圧を感じる。

取り込んだ洗濯物を畳みながら、「わかってるよ」と短く返す。

それでも有斗は納得いっていないようで、


『重いものは俺が行った時にやるから、全部置いとけよ。持っていいのは1キロまでだ』

「何言ってんの。過保護すぎだってば」
< 190 / 209 >

この作品をシェア

pagetop