続・幼なじみの不器用な愛し方
動揺がそのまま指先に伝わり、スマホを掴みそこねてしまう。

わたしが戻ってくるのを待ってくれていたのか、まだ浅い眠りの中にいた有斗が、慌ただしい気配を察知して体を起こした。


「美月……?」

「あ……有斗。どうしよう」


何とか絞り出した声は、自分でも驚くほどに震えていて。

瞬間、まだ微睡みの中にいた有斗がカッと目を開いた。


「どうした?」

「まめ……まめちゃ……っ」

「落ち着け、大丈夫だ。俺がついてる」


床にへたり込んだわたしと視線を合わせて、柔らかい声音でわたしに語りかけてくれる。

その心地良い低音に、真っ白になっていた頭が少しだけ冷静さを取り戻した。


「いま、といれいったら……血、でてて」

「……うん。お腹は? 痛い?」

「ちょ、ちょっとだけ……。我慢できないほどじゃないけど……」


わたしの言葉に頷いた有斗は、断りを入れてからわたしのお腹にそっと触れた。

表面は、胎動を感じる時に触れていたような感触ではなくカチカチに張っている。


「病院に電話しよう。美月は一旦ベッドに横になって」


わたしの肩を抱いてベッドに寝転ばせてから、有斗はわたしのお財布の中から診察券を取り出してテキパキと電話をかけ始めた。


「夜分遅くにすみません。そちらでお世話になっている秋山美月の家族ですが……」


その様子を暗がりの中で見上げながら、お腹に手を当てて祈る。
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