続・幼なじみの不器用な愛し方
「ねぇ、すっごくびっくりしたんだけど!」


テレビ電話を繋ぐなり、開口一番興奮気味に言ったわたしに、稽古終わりの少しラフな格好の有斗が苦笑いを浮かべた。


『俺もびっくりした。すげータイミングだよな』


話題は、今日のスクープの内容だ。

梵ほのかと人気お笑いコンビ・レイモンドの黒田ヒカルの熱愛報道が世に出回り、本人達もそれを認めたのだ。

2人がツーショットを撮られたのはマンションのエントランスから出たところで、加工はされていたけれど有斗との報道が出た時と同じような景色だったことが、結果として有斗との報道を否定する形となった。


『結婚発表してから、梵とも噂あったのにってコメントも少なからずあったみたいだからな』

「気にしてた?」

『いや? まぁいつまでも言われ続けんのはだりーなと思ってたから、思いがけず潔白が証明されてラッキーではあるな。撮られた梵達は不憫だけどさ』


話す有斗の表情は、どこかホッとしたように緩んでいるように見えた。

有斗はたぶん、自分じゃなくて、わたしの気持ちと、わたしがどう見られるかを気にしてたんだろうなぁ……。


「ねぇ、旦那さん」

『……なんすか、奥さん』


慣れない呼びかけに、画面の向こうで有斗が照れ臭そうに応えた。


「まめちゃんの名前、つけてくれない?」
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